暁 〜小説投稿サイト〜
機動6課副部隊長の憂鬱な日々
番外編
番外編5:ある執務官の恋愛事情
第4話
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にしないでください。 フェイトさん」

フェイトが心配顔でシンクレアの肩のあたりをさすりながら声を掛けると、
シンクレアは苦笑しながらそれに応じていた。

「むぅ・・・」

フェイトはシンクレアの言葉に不満げな表情を見せ、それに気付いたシンクレアは
不思議そうに首を傾げた。

「どうかしましたか? 俺、何か怒らせるようなことしましたか、フェイトさん?」

シンクレアが不安げな口調で尋ねると、フェイトはシンクレアの顔を見上げ
その鼻先を指差した。

「それ」

「それ、って・・・鼻ですか?」

フェイトの意図をはかりかね、シンクレアは再び首を傾げる。
するとフェイトは黙ったまま首を横に振り、シンクレアの肩に自分の頭を預けた。

「違うよ。 あのね、私とシンクレアはもう恋人どうしなんだよね?」

「ええ、まあ。 そのつもりですけど」

フェイトのストレートな言葉に、シンクレアは照れながら応じる。

「じゃあ、私のことはフェイトって呼んでほしいな」

そう言ってフェイトは、シンクレアの顔を上目づかいに見上げた。

「なんだそんなことか・・・・・」

シンクレアは苦笑して呟くようにそう言うと、フェイトの肩を抱き寄せて
その耳に自分の口を寄せた。

「フェイト」

「うん」

そして、自らが抱き寄せている女性の名を囁いた。
それに対してフェイトは幸せいっぱいの笑顔で小さく頷いた。

そんなフェイトの顔を見つめ、シンクレアも笑顔を浮かべていたが
しばらくすると、ふと何かを思い出したように小さく声を上げた。

「どうしたの?」

シンクレアの腕に抱かれたまま首を傾げて尋ねるフェイト。

「ちょっと、フェイトにお願いしないといけないことがあったのを思い出してさ」

「お願いって、なにかな?」

フェイトが尋ねると、シンクレアは恥ずかしげに頬を掻きながら話し始めた。

「あのさ、フェイトの真ソニックフォームってあるだろ?
 あれさ、今後使用禁止で」

「ええっ!? あれ、私の切り札の一つなんだけど・・・。
 理由を聞いてもいいかな?」

フェイトはシンクレアの言ったお願いごとが予想外で驚きの声をあげた。
そして、お願いごとの内容が内容だけにその理由を尋ねようとする。
すると、シンクレアはしばしの間言いづらそうに頭を掻いていた。
しかし、やがて意を決するとおずおずと話しはじめた。

「スカリエッティのアジトの中でさ、あのカッコをしてるフェイトを
 後から見てたんだけどさ、あれね、お尻丸見えなんだよ・・・」

シンクレアの言葉が頭の中に浸透するのに多少時間がかかったのか、
フェイトはしばらくきょとんとした顔で目を瞬かせていた。
やがて、
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