番外編
番外編5:ある執務官の恋愛事情
第4話
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」
フェイトは画面から顔を上げ、真剣な表情をして自分に向かって語りかけてくる
シンクレアの顔を見て小さく肩を震わせた。
(なんだろう、シンクレアの話って? ひょっとして・・・)
フェイトの胸は淡い期待に膨らむ。
(いや・・・)
だが、すぐにその考えを否定し小さくかぶりを振った。
(あんな真剣な表情で話しかけてくるってことは、仕事の話だよね)
フェイトはそう結論付けると、頭を仕事モードに切り替えて頷いた。
「うん、どうしたの? 何か新しいことでも判った?」
フェイトが努めて冷静な口調で尋ねる。
すると、シンクレアは虚を突かれたように目を見開いた。
そして一瞬の静寂のあと、声を上げて笑い始めた。
(はい!? なんで笑ってるの!?)
シンクレアが突然笑い出した理由が判らず、フェイトは混乱する。
「えーっと、シンクレア?」
フェイトが声を掛けるとシンクレアは少し待てとばかりに手のひらを
フェイトの方に向け、なおも声を上げて笑い続ける。
やがて、一向に笑うのをやめようとしないシンクレアに、フェイトは自分が
バカにされているような感じを覚え、ムスッとした表情でシンクレアを見た。
シンクレアもそれに気づき、ようやく笑いを収めようとする。
「あはは・・・、すいません。 あなたをバカにしたつもりはないんですよ。
ただ、ちょっと可笑しくて・・・」
そう言って、何度か深呼吸するとシンクレアの笑いはようやく収まった。
なおも不機嫌そうな表情をするフェイトを真っ直ぐに見つめ、シンクレアは
微笑を浮かべた。
「本当にすみません。 仕事の話をするつもりはなかったんで、つい」
シンクレアはそう言うと、フェイトの方にゆっくりと近づいていく。
そして、フェイトまで手が届くくらいの距離まで近づくと、その歩みを止めた。
「怒った顔もかわいらしいですね、フェイトさんは」
「はい?」
フェイトはシンクレアが言った言葉の意味がとっさには理解できず、
きょとんとしてめを何度も瞬かせていた。
やがてシンクレアの言葉の意味が脳に浸透してくると、フェイトの顔は
だんだんと赤く染まっていった。
「ちょっ・・・もう、何言ってるの? そんな冗談なんて・・・」
フェイトは小さな声でそう言うのだが、シンクレアはそれに対して首を横に振った。
「冗談なんかじゃありませんよ。 素敵ですよ、フェイトさんの怒ってる顔」
シンクレアはそう言ってフェイトに笑いかける。
対してフェイトはシンクレアのセリフに恥ずかしそうに俯いた。
「ところで、フェイトさん。 俺の話なんですけど、聞いてもらえます?」
直前までの柔らかい調子からうって変わって、シン
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