番外編
番外編5:ある執務官の恋愛事情
第4話
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めて
驚きの声をあげた。
「ダメ、かな?」
真剣な表情で、真剣な口調で尋ねるフェイトを見て、なのはは一度咳払いすると
気持ちを落ち着けるように何度か息を吸ったり吐いたりしてから
フェイトを真っ直ぐに見つめた。
「正直言ってね、好きになったきっかけってはっきりしたものはないんだよね。
ずっとお友達だと思ってたんだけど、いつのまにか好きになってたって感じ。
まあ、ゲオルグくんのことを男の子として意識するようになったきっかけは
あったんだけど」
なのはは恥ずかしげに頬を掻きながらそう言うと、一旦フェイトから目線を外し
窓の外に広がる夕暮れに染まった町並みに目を向けた。
「それって?」
その先を促すフェイトの言葉を受けて、なのはは微笑を浮かべ
フェイトの方に再び向き直る。
「ずっと前にね、わたしとゲオルグくんがテロ事件に巻き込まれたことが
あったよね? あのときかなぁ、ゲオルグくんを男の子として意識し始めたのは」
「ああ、あの爆弾事件?」
フェイトは自らの記憶の中から該当する出来事を探し出して挙げる。
なのははそれに対して頷いた。
「そう、それ。 あのときね、爆弾が仕掛けられてたビルの向かいにあった
レストランで食事してたんだよ。
でね、私が窓側に座ってたんだけど、向かい側に座ってたゲオルグくんが
爆発した瞬間に気がついて、わたしを爆発から守ってくれたの。
そのときね、ゲオルグくんに抱きしめられて床に転がってたんだけど
"あ、やっぱり男の子なんだ"って実感したんだよね」
「そんなことがあったんだ・・・」
自分には知らされていなかったエピソードに、フェイトは驚きの表情を浮かべる。
「うん、フェイトちゃんには話したことなかったけどね。
で、そのあとも何度もゲオルグくんとは会ったけど、そのたびにドキドキしたり、
わたしのことなんかそっちのけでフェイトちゃんとお話してるのを見て
イライラしたりしてね。
いつの間にか自分がこの人のことを好きになってたんだって、ね」
そう言ってなのはは照れくさそうに笑った。
そんななのはをフェイトはうらやましそうに目を細めてみていた。
「でも、あの頃のゲオルグくんってわたしのことを全然
女の子扱いしてくれなかったから、"なんでこんな人のことを?"って
思ったこともあったけどね」
「確かに、つい最近までゲオルグって結構なのはの扱いが悪かったよね」
そんなことを言い合い、フェイトとなのははお互いに向かって苦笑する。
「うん。 でも、だからかな? フェイトちゃんに背中を押してもらって
ゲオルグくんとお付き合いすることになって、今はすごく幸せなの」
「そっか・・
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