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機動6課副部隊長の憂鬱な日々(リメイク版)
第1話
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他の場所で殺されたのか。
あるいは、死体が原型をとどめないほど・・・・・。

そこまで考えがおよび、怖くなった彼はその場を急いで離れた。
そして、地下空間を走り回り今現在に至る。

さんざん走り回ってきた彼は、さすがに息が上がって走れなくなり、
両膝に手をついて荒い息をつく。

「はぁ、はぁ・・・もうだめだ。 走れねぇ・・・」

壁にを背を付けてズリ下がるように地面にへたり込む。

「まあ、ここまでくれば大丈夫だろ。 ちょっと休んでから外に出るか」

そのときカツンという音が辺りに響き、男はビクッと身体を震わせて立ち上がると
きょろきょろと周囲を見回した。
だが、ゴーグルの暗視モードでも熱感知モードでも周囲に人影はなく、
男は不安げな表情を浮かべながら歩き始めた。

「・・・悪いが、死んでくれ」

背後からそんな声が聞こえ慌てて振り返ろうとした瞬間、男はすぐ近くから聞こえる
ぐちゅ、という音に反応して下を向いた。

「な、なんだよ。 これ・・・・・・」

男が目にしたのは自分の胸から刃物が突き出し、それをつたって赤い液体が
どくどくと流れ出ていく光景だった。
次の瞬間には男は意識を失い、薄汚れた床に力なく倒れ伏した。
そして10秒も経たないうちに男は絶命する。

直後、男の死体のすぐ側に唐突にもう一人の男が姿を現した。
その髪は金色だったのだろうが、ところどころ赤黒く変色していた。
身に纏う服は黒一色。 その目は青く、温度を感じさせない視線を
死体に向けていた。

男は、右手に持つ刀剣から滴り落ちる血を振り落とした。

「ハイエナ01、テログループの殲滅を完了」

『了解。 リーダーの収容も完了している。 ハイエナは全員帰還せよ』

「01了解。 ハイエナ各員はポイントBに集結」

通信を介した呼びかけに対して返答があると、男は小さく頷いて大きく息を吐いた。
そして両目に光が宿ってくる。

「ふぅ・・・、任務完了っと」

《お疲れ様です、マスター》

男の呟きに対する返事があり、男は右手に握った刀剣に目を向けた。

「レーベンもな。 さあ、戻るか」

《はい。 ですが油断せず、お気をつけて》

レーベンと呼ばれた刀剣型のアームドデバイスの言葉に小さく頷くと、
男は気を引き締めなおし、集結ポイントに向かって歩き出した。

男の名はゲオルグ・シュミット。
時空管理局本局、情報部に所属する魔導師である。





「ゲオルグ・シュミット。 3等陸佐。
 本局情報部所属、魔導師ランクは陸戦S、ねえ。
 あまり聞かない名前だけど、信頼できる人材なのかしら?」

はやてが出してきたプロフィールに目を通しながら、その中身を口に出す
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