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機動6課副部隊長の憂鬱な日々(リメイク版)
第1話
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たんです。
 そのための試みですね、今度の新部隊は。
 で、ええ結果がでたら管理局全体に展開できればな、と」

ヨシオカの目を真っ直ぐに見つめながら、重々しい口調で話すはやてであったが
ヨシオカは探るような視線をはやてに向けていた。

「・・・本当にそれだけか? それだけのために3提督を動かしたのか?
 お前のことだ、もっと大きな理由を隠してるんじゃないのか?」

詰問、と表現できるほど強い口調で問うヨシオカに対して
はやては苦笑しながらヒラヒラと手を振った。

「そんな、大それたことは考えてませんて。
 ただ、ちょっとだけ現状を改善できればと思ってるだけですよ」

柔和な笑みを浮かべて話すはやてをヨシオカはなおも疑わしげに見ていたが、
やがて諦めたように表情を緩めた。

「まあ、いい。 あとはシュミットと話せ」

ヨシオカはそう言うと、デスクの上の端末を操作した。
そして再びはやての方に目線を戻す。

「シュミットを会議室に呼び出しておいたから、そっちで話せ」

ヨシオカの言葉にはやては小首を傾げる。

「ここではあかんのですか?」

「俺は居ない方がいいだろうな」

はやてはヨシオカの考えに納得して頷き、椅子から立ち上がった。

「ありがとうございます。 ではこれで」

はやてはそう言うと、姿勢を正して敬礼してから回れ右をして部屋を出ていった。
自室にひとりきりになったヨシオカは、やれやれとばかりに大きく息を吐いた。

「ふん、タヌキめ・・・」

ヨシオカは呟くように言うと、デスクの上のカップに手を伸ばした。

「まずい・・・」

すっかり冷たくなったコーヒーの味に顔をしかめ、ヨシオカは手元にある
報告書の束に目を移した。

"グラシア少将の予言解釈と想定される事象について〜情報部諜報課分析班報告"

承認サイン欄が空白のままの報告書の表紙にはそんな題名が記されていた。


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