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相州戦神館學園 八命陣×新世界より 邯鄲の世界より
第3話 仲間という存在
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前……!」
四四八は塩屋の態度に苛立ちを募らせる。最近の孤立している状況が続き、周囲の生徒を嘲笑し、冷笑するような態度を取ることも珍しくなくなった。今や周囲から
浮いているというより嫌われているという方が正しいだろう。
「お前なぁ、捻くれてるのがカッコイイとでも思ってんのかよ? そんな厨二な性格設定、ここじゃ生かせないっつーの!」
四四八の幼馴染である、晶が塩屋に喰って掛かる。
「人と人との信頼関係が世の中じゃ一番大事なことだ。一匹狼を通しているだけじゃ人との繋がりなんて出来るわけがない。なぜそこまで他の生徒を拒絶する?」
四四八の仲間である鳴滝も以前は一匹狼で通っており、強面の風貌かららか他の生徒から怖がられていた。しかし当の鳴滝はけっして噂のような野蛮で凶暴な男では
なく、芯はしっかりとした男だ。しかし似ているように見える塩屋と鳴滝は決定的に違っている所があった。
塩屋は明らかに周囲の人間を嫌悪し、拒絶していた。人間嫌いという言葉が当て嵌まる。四四八の父であり、夢界六勢力の一つ、逆十字の首魁である柊聖十郎も現実
世界では天才学徒として名が通っていたが、極度の人嫌いであり、変人でも知られていた。
だが聖十郎と同じ類の人間かと言えばそれとも違っていた。
十日程前、放課後の誰もいない教室ですすり泣く塩屋の姿を四四八は見た。その時の塩屋は机に突っ伏しながら泣いていたのだ。その時の塩屋はこう呟いていた。
「できない、できるわけがない……。自分の「本当の姿」を晒せば……。……絶対に拒絶される! 醜い自分のことを仲間などと思う人間などいるはずがない……!」
「何が……、何が仲間だ! 本当の自分を受け入れてくれる存在などいるわけが……!」
他人を拒絶し、近づきがたい雰囲気を醸し出していた塩屋の悲痛な言葉と嗚咽が耳から離れなかった。
「……塩屋。お前がどんな経緯でこの戦真館に入ったかは知らん。だがお前がどんな苦しい経験を、過去を引きずっているのかは分かる」
「何が言いたいんですか?」
「お前の「本当の姿」とは何だ?」
「そんなのは貴方には関係ない!!」
そう叫ぶと、塩屋は教室を勢いよく飛び出した。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
深夜、戦真館の寮にある自分の部屋の全身鏡に塩屋は本当の「自分の姿」を映し出していた。
醜い、の一言が集約された姿だった。顔も、肌も、目も、口も、身体も、足も、手も、何もかもが普通の人間とはかけ離れたいる、違い過ぎる。
神話に登場するモンスター、獣人の一種だと言えばそれだけで納得してもらえるだろう。
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