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相州戦神館學園 八命陣×新世界より  邯鄲の世界より
プロローグ 盧生に近し者
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この悪魔が歌が歌うと、禍々しいまでの呪詛の奔流となる。

 神聖なる歌が歌い手によって呪いと絶望と堕落を呼び起こさせるような呪歌へと変わるのだ。

 「Sancta Virgo virginum ora pro nobisさんたびりごびりぜん うらうらのーべす   

Mater Christi ora pro nobisまいてろきりすて うらうらのーべす    

Mater Divinae Gratiae ora pro nobisまいてろににめがらっさ うらうらのーべす」

 尚も悪魔は唄い続ける。そしてその歌はスクィーラ自身に向けられているのだ。

 「Mater purissima ora pro nobis まいてろぶりんしま うらうらのーべす   

Mater castissima ora pro nobisまいてろかすてりんしま うらうらのーべす」


 するとようやく悪魔が歌を歌い終えた。そして愉悦に輝く双眸をスクィーラに向ける。

 「待っていたよスクィーラくん。我が主からの命令で君を迎えにきたんだ」

 「む、迎え……?」

 「そうだよ。君にはこれから行われる未来を掛けた戦いの先頭に立ってもらわなきゃならないのさ。分かる、分かるよ君の気持ち。君がどんな思いで紛い物の神連中に反旗を翻したか。そして敗れた君がどんな気持ちで死んでいったか。所詮家畜と蔑まれ、好き勝手にこき使われて何も感じないなんておかしいのさ。君は機械じゃないだろう? ロボットの類じゃないだろう?」

 「元は人間なら、プライドと誇りがある。自分達の真実を知った上での君の動、君を見ていた我が主が狂喜乱舞していたよ。いやぁ、あの喜ぶ様は滅多に見られるモンじゃなかったねえ。僕の主をあそこまで燃えさせるなんて大したもんだよ。だからね、主は君に力を貸したいのさ。君の生きる世界、千年後の未来の世界はこれより変わる。我が主が君を新たなる時代に輝ける星にしたいんだ」

 これは悪魔の誘いだった。しかし町の人間に破れ、絶望を味わった今のスクィーラにとっては悪魔の誘惑は救いの天使に見えた。

 「そうだよ、その意気だよスクィーラくん。君が味わった絶望、今度は連中に味合わせてやろうじゃない?」

 ウキウキしているかのような口調で語りかける悪魔。

 悪魔の魂胆などスクィーラには関係なかった。スクィーラにあるのは町の人間に対する憎悪、憤怒しかないのだ。

 「これから主の所に連れていくけど、そこには君に対してキツく当たる人もいるけど気にしないでね。ああ見えて僕の友達なんだけどこれが素直じゃなくてさァ。君の生きる未来について主直々に説得されてやっと折れたってワケ。まぁ、神祇省や辰宮のお嬢さんも渋々だけど協力はしてくれるみたい
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