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続:おおかみこどもの雨と雪
エピソード6 私と草平の一週間〜初日
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真ん中の大皿に初めに手を伸ばしたのは草平だった。
箸で麺を一掴み。いったん小皿に入っている汁につけてからズズッとすする。そして何回か咀嚼する。小皿の麺がなくなるまでそれは繰り返された。
…ズズッ…ムグムグ…ズズッ…ムグムグ…
「うm…いや、美味しいですww」
「これから一週間この家で過ごすんだしいつも通りで良いわよ」
母親が言う。
「…それじゃあ遠慮なく…うまっ…」
わざとらしいんだよばか。だがそれさえも魅力的に見えてしまうから恋と言うものは不思議だ。
私と母も続けてすする。うん。確かに美味しい。そうめん独特の味に自家製?ミョウガの味が相まって協和音を奏でる。
そんなことを考えている内に草平によって大皿は軽くなっていく。私たちは負けじとそうめんをつまむ。
ズズッ…ズルズルッ…
やがて20分もしない内にあの大皿が空っぽになってしまう。
全員満足そうな顔で腹をさすっている。
そして挨拶
「ごちそうさまっ」
母が皿を洗い終わると私はゴザを持って草平と一緒に外へ出た。その辺の地面におもむろにゴザをしき、寝転ぶ。ど田舎だから空気もすんでいて空がすごくきれいだ。夜もきれいだが昼も悪くない。
「草ちゃんもおいでよ。空、きれいだよ」
草平を呼ぶがどうも草平はそれに答えようとしない。仕方なく私は立ち上がると草平をゴザの上に押し倒した。
あれ?これって普通は男がやることじゃないっけ?まぁいいやww
手を草平の首に這わせ彼が起き上がれないようにすると私も草平の隣に寝転んだ。
「空、きれいだね…」
「うん…」
草平はすっかり空に見入っていた。都会ではこんな空見えないから都会っ子が見入るのは当たり前だなと思った。
このまま黙って見ているのも面白くないから私は草平に話しかける。
「…そうだ。雲探しでもしようよ」
「…雲探し。懐かしいな。よし…やろうか」
雲探しとはどちらか一方が適当にお題をだし、その雲を探すゲームだ。
初めは草平がお題を出す。
「…じゃあ初めはクマで」
草平が言うと私は探し始める。隣を見ると草平も探していた。
草平がそれっぽいのを先に見つけた。
「見つけたっ」
ルールとして先に見つけた人が次のお題を決めることになっている。
草平が言った。
「う〜ん、次は…」
「次は?」
「…雪…」
「…へ?」
「雪…だよ」
そう言うと草平は私を抱き締める。
「やっ、こんなとこじゃっ」
私は顔を赤く染める。
それでも草平は抱擁を解こうとはしない。
今日の朝の出来事とは違い、抱き締められることによって落ち着いていくのではなくそれどころか胸の高まりはどんどん成長していく。
ドクンッ…ドクンッ
と私の心臓が激しく脈を打つ。草平の鼓動も私に伝わってくる。

晴天の下、私と草平は抱擁を解くことなくお互い
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