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【完結】剣製の魔法少女戦記
第六章 正義の在り処編
第百七十九話  『魔術事件対策課への訪問』
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その道中、通り過ぎる道すがらではよく女性局員の黄色い悲鳴が何度も聞こえてきていてなんだろう、と思っているとカレンさんが苦笑気味に、

「シホさんも人気者よねー」
「えっ? 今のって私に対してだったんですか?」
「あれ? 気づいてなかったの? シホさんはスカリエッティ事件であれだけ活躍したんだからこうなるのはある程度は予想はついていたと思ったんだけどね」

カレンさんがそう言ってくれる。
……た、確かにそうだけど、やっぱり改めて騒がれると少し気後れしてしまうのは致し方ない。
頬が赤くなっていないか心配である。

「ま、行く先々で言われると思うから慣れることね」
「はい………」

そんなこんなで私は部隊長室までカレンさんに案内してもらった。
到着してカレンさんは用があると言ってその場を後にしていった。

「さて……」

それから私は深呼吸をして扉をノックする。
『コンコンッ』と扉を叩くと中から『はーい』という返事が返ってきた。
それで私は扉を開く。
そこではミゼさんがモニターに目を向けて色々と作業をしていた。
そこにはかつて周りからの劣等感から来る後ろ向きな姿など微塵もなく、まさに部隊長と言わんばかりの立派な姿があった。
その姿を見て私は内心では(……あの戦いから十年、成長しましたね)と思う。
デスクワークでキーを叩く音がしばらく続き、キリの良いところにまで来たのだろう……開いていたモニターを閉じて私に目を向けてきて、

「待たせてしまってごめんなさいね、シホさん。ちょっと外せない案件があってそちらを優先してしまったわ」
「いえ。構いません。それより……あれから成長しましたね、ミゼさん」
「えっ………急に改まってどうしたの、シホさん……?」
「いえ、ただ……ディルムッド・オディナの言葉を真っ直ぐに受け止めて成長したミゼさんの姿を見たら、なんと言いますか立派になられたんだなと……」
「まぁ……」

それでミゼさんも嬉しかったのか頬を赤く染めて少し嬉しそうになる。
そして少し黙ってしばらくして、

「……ありがとう、シホさん。どれもこれも全部シホさんが手伝ってくれたおかげなのよ?
魔術に才能があってもやっぱり能力としては低い私を見捨てないでここまで育てて部隊長の座にまで上り詰めさせてくれたのは、シホさんの教えがあったからよ」
「そうですか。よかったです」

それで私とミゼさんは少ししみじみとしながらもお互いに笑みを浮かべる。
昔は聖杯大戦で敵対関係ではあったけれど、こうしてみれば関係も変わってくるものね。
十年前の私達からは考えられないことね。
お互いに、だけど。
そう思っているとミゼさんの前にモニターが開く。
モニターの先には少し幼そうな女の子の姿が映っていた。

『ミゼ部
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