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魔法薬を好きなように
第13話 教室でのひと騒動
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トリステイン魔法学院へ向かう途中で、モンモランシーに平日トリスタニアへ行かせてもらうことを、どう話したらよいのかに悩んでいたが、途中で珍しいコンビを目にしたので、声をかけてみる。

「よう、お二人さん。魔法学院からこんなに離れた場所で何をしているんだい?」

「ああ、ジャックじゃないか。良いところにきた」

「ちょっと、途中で落とされたんだ」

落とされた? ギーシュとサイトをみて、馬からでも振り落されたのであろうか。

「二人とも馬から振り落とされたのか?」

「いや、シルフィードから」

「シルフィードって、タバサの使い魔の風竜かい?」

「ああ、その通りだよ」

「ふーん。このままだと、歩くなら1時間半ってところかな?」

「まだ、そんなにあるのかー」

「乗せていってくれないかね」

「1人は乗せられるが、2人は無理だね」

「じゃあ僕が」

そう言って、ギーシュがこちらに近づいてきたが、

「あと、1人は『念力』で浮かせて、つれていってもよいけれど」

ギーシュは一瞬考えていたが、

「いや、僕は馬にのさせていただこう」

「サイトはどうする?」

「その『念力』って、どんな魔法?」

「ああ。『念力』はまだ知らないんだっけ。単純に物を動かすだけだけど、今回は、俺からある一定のところに、浮かんでもらって、そのまま魔法学院まで運んでいくのかな」

「それじゃあ、それでお願い」

俺は、ギーシュが俺の後ろにのるのを待つと、サイトに『念力』をかけて浮かばせた。馬は片手で操作しないといけないが、30分もしないでつくだろうから、精神力もそれほど消耗もしないだろう。

「ところで、今の様子から見ると、先週末から休んでいたみたいだけど、どこかへ行ってたのかい?」

「ああ、アルビオンにさ」

「ギーシュ、それ内緒だろ!」

まあ、学生やたぶん俺の前世と同じ世界からきたと思われるサイトは、レコン・キスタと関係ないだろう。前世といってもすでに関係ないしなぁ。

「……内緒ごとか。まあ、聞かなかったことにしてやる」

「ああ。ありがとう。友よ!」

友人になったつもりはないが、モンモランシーを二股にかけた元カレっていうのはあるから、少々聞きたいことがある。

「気にするな。ところで、モンモランシーにちょっとお願いごとをしたいんだが、何か良い方法でもないかな?」

「なに! お前、モンモランシーに気でもあるのか?」

「いや、俺って使い魔だろう。だけど、護衛を行うのは魔法学院の外へ出る時が、基本だから平日はトリスタニアに行ける日を持ちたくて、どう話したらよいか考えているんだ」

「それなら、簡単さ」

「へー、どんなんだい?」


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