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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
番外編
番外編5:ある執務官の恋愛事情
第3話
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舌を出して見せる。

「あーん!? 何が ”つい☆”やねん。フェイトちゃんも何か言うたってーや!」

ゲオルグの人を食ったような態度に苛立ちを隠せず、はやては語調も荒く
隣に立つフェイトに同意を求めた。

「いいなぁ・・・なのは」

だがフェイトから発せられたのは、はやてが期待したのとは全く違う言葉だった。
赤い頬にぼんやりと前方を見る目。
それらは熱に浮かされているような印象をフェイトに与えていた。

「私だって・・・」

そこまで言いかけたとき、フェイトは周囲からの視線に気がついて我に返った。

「けっ、どいつもこいつも色づきよって!」

やさぐれた口調ではやてが言う。

「フェイトちゃん!わたしは応援するよ!頑張って!」

グッと両手を握りしめ、目をキラキラと輝かせながらなのはが言う。

「で?いったい誰がフェイトのハートを射止めたんだ?」

ベッド脇の椅子に腰かけたゲオルグが言う。

3人の友人たちにはやし立てられ、フェイトは赤かった顔をさらに赤くする。

「わ、私のことは今はいいじゃない。それよりはやて!
 なのはに話があったんでしょ!」

フェイトはそんなセリフで話の矛先をそらす。

「おっと、そうやった・・・・・」

はやてがそう言って手を打ち、真面目な話題へと移っていくと、
フェイトは己の発言を振り返り始める。

(私だって・・・なに?)

俯きがちになって目を閉じるフェイト。
その瞼の裏に映ったのは一人の男。

(ああ、そうだったんだ・・・。 はやてが言いたかったのはこういうことかぁ)

顔をあげたフェイトの表情はどこかつきものが落ちて晴れやかにも見えた。

「フェイトちゃん、行くで」

フェイトが思考の海にどっぷりつかっている間に、はやての話は終わっていた。

「うん。 なのは、またね」

フェイトはにっこり笑って頷くと、親友に向かって手を振り部屋を出た。


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