暁 〜小説投稿サイト〜
機動6課副部隊長の憂鬱な日々
番外編
番外編5:ある執務官の恋愛事情
第3話
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イトはきょとんとした顔ではやてを見た。

「どうって・・・頼りになる同僚で友達、かな」

「ふぅん・・・ホンマにそんだけ?」

フェイトの答えに対して、はやてはニヤリと笑って問い返す。
するとフェイトは怪訝な表情ではやてを見た。

「それだけって・・・どういうこと?」

フェイトに訊き返されたはやては少し考えるそぶりを見せた後、
真剣な表情をつくってフェイトに話しかけた。

「うーん、実はな。 私、シンクレアくんと恋人同士やねん」

真剣な口調で放たれたはやての言葉は、大きな反応をフェイトから引き出した。
彼女はぽかんと口をあけ、目を丸くしてはやての顔をじっと見つめていた。
そして、一瞬悲しげな目をすると次の瞬間には微笑を浮かべてはやてに話しかけた。

「そ、そっか。 おめでと、はやて。 あの・・・お幸せにね」

フェイトは微笑を貼り付けたままそこまで言い切ると、目線を落として
自分のつま先に目をやった。
そんなフェイトの様子を見て、はやては小さく嘆息した。

「嘘や」

はやてが短く言った言葉が耳に届き、フェイトは勢いよく顔をあげて
はやてのほうに目を向けた。

「えっ・・・うそって? はやてがシンクレアとお付き合いしてるってのが?」

訳が判らないという顔をして尋ねるフェイトに対し、はやては黙って頷いた。
するとフェイトはホッとしたような表情を一瞬浮かべてから、
目を吊り上げてはやてを睨む。

「もう、なんでそんなウソつくの?」

詰め寄るフェイトとは対照的に、はやては小さく何度か首を横に振り
次いでフェイトの方に真剣な表情を向ける。

「なあ、フェイトちゃん。 今、自分がどんな表情してたか判るか?」

低く押し殺したような声ではやてが尋ねると、フェイトはきょとんとした顔で
ふるふると首を横に振った。
それに対してはやては大きくため息をつくと、呆れたような表情を浮かべた。

「まあ、それはバルディッシュが記録してるやろうから、
 後で見せてもろうたらええわ。
 それより、ウブなんもええ加減にしとかんと損するんはフェイトちゃんやで」

はやては一息でそこまで言い切ると、足元に置いていたバッグに手を伸ばす。

「ちょっ、はやて!? それってどういう意味?」

慌ててはやてに尋ねるフェイトであったが、はやては意に介することなく
ちょうど停車した車のドアを開けた。

「それは自分で考えんとあかんよ。 それに、もう着いたで」

はやての言葉に反応してフェイトが顔をあげると、そこには目的地である
病院の建物が立っていた。





車を降りた2人はなのはの病室へと向かった。
フェイトは前を歩くはやての背中を追いかけつつ、バルディッ
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