魔石の時代
第三章
世界が終わるまで、あと――1
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深刻な状況だ。掴みかかるよ
うにして問い詰める。
「答えな! いつまでにその衝動を鎮めればいい!?」
いつまでに、その原因に辿り着けばいい?――そのために、アタシ達にできる事はあるのか。それさえも分からないが。
「一三日――いや、もう一日過ぎたからあと一二日か」
言葉に詰まる。思った以上に、時間がない。それはつまり、こういうことだ。
――世界が終わるまで、あと一二日
4
「ん……」
薄闇の中で目が覚めた。知らない間に眠っていたらしい。寝かされていたソファから身体を起こし、少しだけ眠気が残る目をこする。
(もう、こんな時間……)
窓越しに夜の街を見やり、ぼんやりと呟く。そのまま、取りあえずカーテンを閉めた。何となく珍しさを覚える。
「そっか。こんな時間まで開けっぱなしって久しぶりかも」
いつもは、もう少し早くに光が閉めてくれるから。珍しさの正体に気付き、思わずくすりと笑った。私には兄はいないし、父親の顔も知らない。けれど、もしもいたのなら、それはきっと光のように感じたのではないだろうか。そんな事を思った。
(初めて会った時は、あんなに怖かったのに)
あの時、何かが間違っていれば、本当に殺されていた。あれからまだ一月も経っていないのに、そんな事を思う自分に少しだけ呆れてしまう。
でも、悪い気分ではない。酷く優しい気持ちで呟いた。途端――
「あぅ……」
お腹が鳴った。誰も聞いていないはずだけれど、それでも顔に血が集まってくるのが分かった。
「えっと……」
誤魔化すように――実際にそのつもりで、部屋を見回す。光の姿もアルフの姿も無かった。この時間に、光が食事の準備をしていないと言うのも珍しい。買出しに行くにはもう遅いし、そもそもまだ備蓄はあったはずだ。
(どこ行っちゃったんだろう……?)
静かな部屋。それが妙に不安を掻き立てた。あの二人が、私を置いてどこかに行くというのもあまり考えにくいが……。
「あ……っ」
そこで、微かに光の魔力を感じた。すぐ近くにいる。ホッとしながら、そこに向かって歩き出す。使っていない小部屋。そこの扉が僅かに開いていた。二人の声もする。
「アルフ――」
声をかけようとした。声をかけて、中に入ろうとした。だが――
「……少し長くなるぞ」
入れなかった。光によって語られるその『魔法使い』の生き方があまりに悲しくて、身体が動かなかった。あまりにも辛くて、この場から逃げてしまいたい。そう思った。
逃げてしまえばよかったのだ。そうすれば、聞かなくて済んだのだから。
「つまり、アンタのここ最近の殺気だった感じはその代償とやらのせいなのかい?」
二人の話は、光の『異変』へと移っていく。おそらく、それが本題だったのだろう。
殺戮衝動。その言葉に、
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