第四章 炎
第11話 思惑
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学園都市窓のないビルにて。
『天宮市上空付近に新たに100個の盗撮カメラの設置が完了いたしました』
「ご苦労。よくやった」
と、モニター越しに告げれた。
生命維持装置らしき弱アルカリ性培養器に満たされた巨大ビーカーに常に逆さに浮いている人がいた。
その名は『アレイスター=クロウリー』
学園都市創設者にして高権力者でもある、年齢・性別不明の人物である。
アレイスター「どうやら彼らは私の目的を空間震を自発的に起こさせると思っているようだが……それも違う……」
彼は宙に浮きながら、独り言のように話し始めた。
アレイスター「私の目的はもっと別のことにあるのだよ」
目を動かすと、3つのモニターが出てきた。そのモニターには、上条と佐天と一方通行の顔がそれぞれ映っている。
アレイスターは一方通行のモニターに目を向ける。
アレイスター「彼も……少しずつだが魔術を反射するようになってきたか……Level6に少しずつ近づいているようだ。翼の光の刃も確認できたし……彼は順調だろう」
アレイスターは目線を一方通行のモニターから、上条のモニターにかえた。
アレイスター「彼も″龍の右手″がようやく姿を現したか。ふむ……恐らく私の思った通りの展開だ。彼もかなり順調にきている」
最後に、佐天のモニターに目を通した。
アレイスター「ふむ……彼女の中の″アレ″はまだ眠ったままなのか。『演算補助装置』だけでは無理だったという訳か。ふむ……ならば『彼女』に任せるとしよう」
アレイスターは佐天のモニターからも視線を外し、真っ直ぐな瞳でこう告げた。
アレイスター「彼らは、私の実験動物にすぎないのだよ」
それは、彼の『もう1つプラン』の前章に過ぎなかった。
そして、
彼は眠りについた……
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