18話 『氷結の女王』
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でスよっ?」
「行き止まり……? 隙間から見るとこの先まだ続いてるみたいだけど、他の道探そっか」
上下から連なる太く鋭利な氷柱を前に引き返そうとするビルとシファだが、ランクは強引に通ろうとする。
「ビル、おめェの黒魔法で溶かすなりすりゃいーじゃねェか」
敢えてマゥスンに頼まないつもりらしい。
「ハイ? それもそうでスね……。じゃあ、ここはやっぱり炎系黒魔法で────えいっ!」
………しかし、連なる氷柱は溶解しない。
「は、はれ? もう一度……!」
「 ────── 」
ビルが再び黒魔法を放とうとした時マゥスンが前に出、腰に携えた剣を引き抜くと同時に炎を纏い眼前に連なる氷柱へ真横一閃に斬り付けると、溶解していくと共に前方の道が開ける。
「ふわぁ、さすがマゥスンさんでスっ。ボクには無理だったのに一発で……!」
「元々魔力が強いのか、火のクリスタルの欠片を持ってるからなのか────どっちにしてもすごいよね」
ビルとシファは素直に感心するが、ランクはちょっとした疑問を投げかける。
「なぁ……、オマエ火の欠片持ってっから寒いのは平気なのか? それとも、その逆だったりすンのかよ」
白銀の長髪流れる赤マントの背を向けたまま先を行くマゥスンは、何も答えようとしない。
(聞こえねーフリしてンのか、単に喋る気ねェのか……。無理、してねェよな )
「わ……?! ごめん、マゥスン。どうしたの、急に立ち止まったりして?」
すぐ後ろを歩いていたシファは軽く赤マントの背にぶつかってしまい、氷の洞窟内の天井の高い開けた場所を前にふと歩みを止めたのを不審に感じた刹那。
「 来る 」
「 え……? 」
突如猛烈な吹雪が至近距離から4人へと襲い、思わず両腕を前に顔を伏せるものの、激しい風雪が両脇を横切っていくのは感じて自分に直接触れていない事に気付いたシファが顔を上げると、
マゥスンの背から両脇に逸れてゆく吹雪を目にし、何かの魔力で前方からの猛吹雪を遮ってくれているのだと分かり、ビルとランクもそれに気付いた時には風雪が次第に治まっていく。
『 ────人間にしてはやるじゃないか。アタシの根城に何の用だ? ……興味本位ってワケでもなさそうだな』
不意に冷淡な女の低い声がしたかと思えば、少し距離を取った4人の目の前で渦巻いた吹雪から忽然と、冷気を纏ってそよぐ髪と蒼白く露出した肢体妖艶な姿が現れる。
「出やがったみてーだな、氷結女ッ」
『見る目のない奴だな、お前……。アタシの姿を見ても、そこのチビガキのようにならないのか?』
美麗な顔立ちでありながら冷血な表情で上から目線な言葉に、シーフのラン
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