第十三章 聖国の世界扉
第一話 差し伸ばされる光
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です。そして、神へ祈りを捧げ魔法を行使する、その祈りにこれほど相応しい系統はありません」
「………………」
敬虔な表情で、慈愛に満ちた瞳で、アンリエッタに向かい合うヴィットーリオ。アンリエッタは、ただ、無言のまま、ヴィットーリオの言葉を聞いている。
ただ、その瞳の奥、澄んだ泉のようなその奥底。誰も気付くことが出来ないその水底に、一瞬冷ややかな光が過ぎったが、気付く者は只の一人としていなかった。
「そう、アンリエッタ殿。神は忠実な下僕であるわたくしに、民を救えと、導けとこの奇跡の技をお与えになられました」
「……聖下が、虚無の担い手」
確かめるように、ポツリとアンリエッタが呟く中、ヴィットーリオは、鏡が映し出す光景からもれる淡い明かりを後光のように背に受けながら、口元に浮かべた笑みを深めた。
「アンリエッタ殿。我々は、集まらなければなりません。神に与えられた“祈り”を一つにまとめ、世界を救うため大きな“奇跡”を呼ぶために―――」
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