暁 〜小説投稿サイト〜
魔法薬を好きなように
第12話 首都トリスタニアにて
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
てもらおう。断っていなかったけれど、事前に聞かれてもいないからいつもどおりだ。

ティファンヌは目をあけたが、半分ねぼけているのだろう。いつもの朝のようにキスをしてきたが、

「なんで、パンツをはいているわけ?」

「あのな〜 昨晩は、愛し合ったわけじゃないぞ」

「そうだったわねぇ。ところで本当に元にもどったの?」

「ああ、そこの手鏡を使ってでも自分で確認してみたらいいよ」

俺は、ベッドから離れて、彼女をみないで、服をきることにする。見てたら朝から欲情するに違いないからな。

「あっ、あるー」

そりゃ、そうだ。
着替えている最中なので、ふりむかないが、機嫌がよいのか、鼻歌まじりで着替えをはじめたようだ。
俺は着替えはおわったので、部屋のテーブルの席について、窓側をみているが、隣の宿の壁が見えるだけ。まあ、朝日が入ってはきているが。
そんな席へ、着替えが終わったティファンヌは来た。

「ジャック。そういえば、昨晩伝えていなかったことがあるわ」

「なんだい」

「つきあってあげてもよいわよ」

「本当かい?」

「こんなことで、嘘はつかないわよ」

嘘がなんなのかを追求するのも、野暮であろう。

「よかった。ふられるかと思っていたよ」

「けどね、条件が2つばかりあるの」

「条件? 2つ?」

「そう」

「どんなのだい」

「私が19歳になるまで、貴方の納得する仕事についてね」

「19歳って、やっぱり、そのあたりが限界かなぁ」

「私だって、行き遅れなんて言われたくないもの」

「モンモランシーの結婚次第になると思うけど、善処する」

「うん。それから、もう一つは、浮気をしないこと」

「おやおや、君の2番目に良いところがなくなるよ」

「何よ、その2番目って」

「1番目はそれ以外の君の部分全部だからさ」

「口ばっかりじゃないわよね?」

「当然!」

娼館へ行ったり、平民と遊ぶのは浮気じゃない、って思っているこの男……貴族とはそういうもんだと学習しているため、平然と答える。

「ところで、明日以降って、夏休みまで会えないのかしら」

「まあ、そういうことにはなっているねぇ」

「けれど、魔法薬の実験助手もおこなっていないんでしょ?」

「実質ね」

「そうしたら、平日にこっちにくることができるんじゃないのかしら」

「あー、今のモンモランシーなら、可能かもしれない。それに水の授業は、特に聞く必要もなさそうだし、実技の多い授業も見学しているだけだから、そういう日なんかは特にいいかもしれないな」

「だけど、今日はアルゲニア魔法学院が休みだから、してみたいことがあるの」

「なんだい?」

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ