第12話 首都トリスタニアにて
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てもらおう。断っていなかったけれど、事前に聞かれてもいないからいつもどおりだ。
ティファンヌは目をあけたが、半分ねぼけているのだろう。いつもの朝のようにキスをしてきたが、
「なんで、パンツをはいているわけ?」
「あのな〜 昨晩は、愛し合ったわけじゃないぞ」
「そうだったわねぇ。ところで本当に元にもどったの?」
「ああ、そこの手鏡を使ってでも自分で確認してみたらいいよ」
俺は、ベッドから離れて、彼女をみないで、服をきることにする。見てたら朝から欲情するに違いないからな。
「あっ、あるー」
そりゃ、そうだ。
着替えている最中なので、ふりむかないが、機嫌がよいのか、鼻歌まじりで着替えをはじめたようだ。
俺は着替えはおわったので、部屋のテーブルの席について、窓側をみているが、隣の宿の壁が見えるだけ。まあ、朝日が入ってはきているが。
そんな席へ、着替えが終わったティファンヌは来た。
「ジャック。そういえば、昨晩伝えていなかったことがあるわ」
「なんだい」
「つきあってあげてもよいわよ」
「本当かい?」
「こんなことで、嘘はつかないわよ」
嘘がなんなのかを追求するのも、野暮であろう。
「よかった。ふられるかと思っていたよ」
「けどね、条件が2つばかりあるの」
「条件? 2つ?」
「そう」
「どんなのだい」
「私が19歳になるまで、貴方の納得する仕事についてね」
「19歳って、やっぱり、そのあたりが限界かなぁ」
「私だって、行き遅れなんて言われたくないもの」
「モンモランシーの結婚次第になると思うけど、善処する」
「うん。それから、もう一つは、浮気をしないこと」
「おやおや、君の2番目に良いところがなくなるよ」
「何よ、その2番目って」
「1番目はそれ以外の君の部分全部だからさ」
「口ばっかりじゃないわよね?」
「当然!」
娼館へ行ったり、平民と遊ぶのは浮気じゃない、って思っているこの男……貴族とはそういうもんだと学習しているため、平然と答える。
「ところで、明日以降って、夏休みまで会えないのかしら」
「まあ、そういうことにはなっているねぇ」
「けれど、魔法薬の実験助手もおこなっていないんでしょ?」
「実質ね」
「そうしたら、平日にこっちにくることができるんじゃないのかしら」
「あー、今のモンモランシーなら、可能かもしれない。それに水の授業は、特に聞く必要もなさそうだし、実技の多い授業も見学しているだけだから、そういう日なんかは特にいいかもしれないな」
「だけど、今日はアルゲニア魔法学院が休みだから、してみたいことがあるの」
「なんだい?」
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