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ジオン独立戦争記〜名もなき兵士たちの転戦記
1.エルネスト・ルツ中佐編
第2話:グラナダ降下作戦
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0両ほど姿を現した。

「戦車だ。攻撃開始!」

ルツは部下たちに呼びかけながらマシンガンの引き金を引く。
3機のザクによる銃撃は現れた戦車を10秒かからずにすべて鉄くずへと変えた。
そして再び3機のザクは通信施設に向かって歩を進めていく。
最初に現れた戦車以外にはさしたる抵抗を受けることもなく、ルツ達のザクは
通信施設のすぐ側までたどり着いた。

『抵抗する様子は見えませんね』

「そうだな・・・」

レーマーの言葉に呟くような言葉で応じるルツ。
その目はモニターに映る通信施設とその周囲を注意深く見ていた。

(これ以上の抵抗は無さそうだな・・・)

ルツは小さく何度か頷くと、作戦を次の段階に進めることを決断した。

「メーゲン伍長。 発光信号を」

『了解です』

ルツの指示に従って、メーゲンは自機の腰に下げていた発光信号機を
上空のコリオランに向けて作動させ、赤い光が既定のパターンで点滅する。

メインカメラの映像を拡大してコリオランを見ていたルツの目に、
コリオランの艦首から切り離されるコムサイの姿が映った。
それは彼らの方に向かって真っ直ぐに降下してくる。

やがてコムサイは通信施設の前に着地した。
そのハッチが開くと中からノーマルスーツを着た完全武装の兵士たちが現れ
跳ねるようにして月面を進み、通信施設の中へと次々に入っていった。
彼らは皆ルツ達のザクに向けて敬礼してくる。
ルツ達はザクに敬礼の姿勢を取らせてそれに応じた。
そして3機のザクは通信施設を背にして周囲を警戒し始めた。

30分ほど経つと、ルツの耳に通信施設の中に入っていった部隊からの通信が入る。

『コリオラン第2モビルスーツ小隊。 こちらは突入部隊だ。
 この施設の制圧は完了した。 我々は次の制圧目標に向かう』

「了解した。 またあとで会おう」

『ああ、そうだな。 またあとで』

制圧部隊との通信が終了すると、引き続いてコリオランからの通信が入る。

『こちらはコリオランです。 制圧部隊がグラナダ基地の軍港区画の制圧を
 完了しました。 本艦はこれより軍港に入港します。
 第2小隊は軍港区画に移動してください』

「第2小隊、了解」

ルツはコリオランのオペレータに返答すると、部下たちに指示を出し
軍港区画へとザクを向かわせた。


こののち、ほどなくして全目標の制圧が完了し、グラナダ降下作戦は終了した。
これによりジオン公国はサイド6を経由して、宇宙空間における地球連邦軍最大の
基地、ルナ2へと侵攻するルートを得たのである。

だが、本国の参謀本部が立案した緒戦の作戦における突撃機動軍の役割は
これで終わりではない。

"ブリティッシュ作戦"

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