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ジオン独立戦争記〜名もなき兵士たちの転戦記
1.エルネスト・ルツ中佐編
第2話:グラナダ降下作戦
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ルツがねぎらいの言葉を口にした時、短い電子音とともに通信が入る。

『こちらコリオランです。 第2モビルスーツ小隊長ルツ中尉、応答願います』

「ルツだ。 どうした、コリオラン」

『遭遇した敵艦隊は全滅しました。 周辺に別の敵影も見えません。
 作戦を第2段階に移行します。 第2小隊は通信設備を制圧してください』

「了解。 作戦を第2段階に移行。 月面に向けて降下し、通信設備を制圧する」

ルツが了解した旨を返答すると、母艦コリオランとの通信が切れた。

「2人とも聞いてたな。 行くぞ」

『了解です』

そして3人は月へと向かっていった。





20分ほど飛行すると、3人のパイロットたちの眼下に灰色の不毛な大地が
広がっていた。
そこかしこにあるクレーターの中には人工の建造物が鈍く光を放っていた。

「グラナダ基地だ・・・」

ルツは思わず呟くように声をあげた。
眼下に広がる一面の人工物が目標とするグラナダ基地そのものだった。
地球とは反対側に存在するグラナダ基地は月を挟んで地球とは反対側にある
サイド3との連絡・通信のために建設された基地だった。
一方地球側には月面最大の都市、フォンブラウンがある。

「判ってるな。 目標以外への攻撃は厳禁だ」

公国軍上層部は本国との連絡を重視してグラナダをまず攻略することに決定したが、
反対側のフォンブラウンや他の月面都市の処置については未定であった。
そのため、突撃機動軍のグラナダ降下作戦に参加する各部隊には
グラナダ基地以外には絶対に累を及ぼしてはならない旨、厳命されていた。
ルツはそのことを部下2人に改めて注意しつつ進む。

既に、3機は月の重力圏に入り自然落下によってグラナダへと降下していた。

『中尉、第3小隊です』

メーゲンの声に反応して目線を向けると、そこにはベルゼン率いる第3小隊の3機が
同じように降下していく姿が見えた。
彼らの制圧目標は第2小隊が目標とする通信施設の近くにあるレーダー基地である。
2つのモビルスーツ小隊は重力に引かれて月面に向かって落ちていく。

やがてルツ達第2小隊は月面からの高度が100mを切り、バーニアを吹かして
落下速度を徐々に緩めていく。
そしていよいよ月面が近くなると、思い切りバーニアを吹かして速度を殺し
ザクの足を月面に付けた。

通信施設から1kmほど離れた埃っぽい大地に降り立つと、灰色の砂塵が
ふわりと舞いあがる。

「行くぞ」

ルツは部下たちに短く呼びかけると、右手のバズーカをマシンガンに持ち替え
通信施設に向けてザクの足を進めていく。
3機のザクが通信施設から数百mに迫った時、建物を回り込むようにして
戦車が1
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