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ジオン独立戦争記〜名もなき兵士たちの転戦記
1.エルネスト・ルツ中佐編
第2話:グラナダ降下作戦
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災を起こす。
しばらくして、エンジンから上がる炎が輝きを増したかと思うと、
大爆発を起こしてマゼラン級は火球へと姿を変えた。

その様子を見ていたルツはそのまぶしさに思わず目を細めた。
やがて火球は消え去り、デブリの集まりだけが残されていた。

「よし、次だっ!」

自らに喝を入れるように声をあげると、ルツはコロンブス級へと向かう。
バズーカの弾を装填し、大きな弁当箱のようにも見えるコロンブス級の後方に
バズーカを立て続けに3発放つと、それはすべてエンジンに命中し炎をあげた。
やがて、核融合炉の誘爆によってコロンブス級もまたマゼラン級と同じく
宇宙のチリへと姿を変えた。

「ふぅ・・・。さて、アイツらはうまくやってるかな?」

安堵の吐息をもらし、次いでレーマーとメーゲンを思いやったセリフを呟いた
ルツは、モニターに目を走らせ周囲の状況を確認する。
その時レーマーが攻撃していたサラミスが爆発し、その姿を火球の中に消した。
メーゲンも自分の担当分を破壊できたようで、連邦艦隊に残されているのは
サラミス級が2隻のみだった。

「お前らは左のヤツをやれ。俺は右のをいただく」

『了解です』

2人からの返信を確認すると、ルツは自機を残ったサラミス級の1隻に向けて
思い切り加速させた。
慣性に従ってシートに押しつけられながら、ルツはレバーを操作し
ザクの左手にヒートホークを握らせる。
その刃が赤く発光するのを確認し、ルツはサラミスの艦首左舷側に近づく。
そして、サラミスの船体にヒートホークの刃を叩き込むと、
そのまま艦尾に向かって加速し始めた。

ヒートホークの赤熱した刃は、サラミスの船体をまるで紙のように引き裂いていく。
そして、艦首から艦尾まで切りぬけるとルツはそのまま安全な距離まで離れて
振り返った。

ヒートホークが切り裂いた痕から艦内の空気が漏れているのか、
ノーマルスーツ姿の乗組員らしき姿がいくつも吸い出されてくるのが小さく見える。
やがて、そこから炎を吹き出し始め、その直後にサラミスは大爆発を起こして
その姿を塵灰へと変えた。


ここまで母艦を発進してからわずか15分。
その間僅か3機のモビルスーツが6隻からなる艦隊を全滅させたのである。
彼ら3人は知るよしもなかったが、同じような戦闘がサイド1・4の宙域でも
数限りなく展開されていたのである。

宇宙世紀の戦闘の姿が根底から覆された瞬間だった。


少し離れたところにはレーマーとメーゲンが攻撃していたサラミスも爆発して、
火球へと姿を変えていた。

ルツがしばらくその様を見ていると、その方角から2機のザクが近づいてきた。

『中尉、サラミスを撃沈しました』

「見てたよ、ご苦労さん
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