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ジオン独立戦争記〜名もなき兵士たちの転戦記
1.エルネスト・ルツ中佐編
第2話:グラナダ降下作戦
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女性兵士の顔が映し出される。

『モビルスーツ各機へ状況を連絡します。
 月の周辺には連邦の警備艦隊が既に展開し始めていますので、
 これを撃破してください。
 なお、ミノフスキー粒子が戦闘濃度で散布されていますので
 通信状況はあまりよくないと思われます。
 各機、各自の判断で戦闘をお願いします。
 それではモビルスーツ各機、順次発進してください』

オペレータからの通信が終わると格納庫の中に減圧警報が鳴り響き、
その音が止むとともに格納庫の空気が抜かれていく。
そして格納庫が真空になるとハッチが開かれ、そこから漆黒の闇が覗いた。

『各機、順次発進!』

メンヒのその声とともに、ハッチに近い機体から宇宙空間へと飛び出していく。
ルツ機の順番は4番目。
前の機に続いて艦の外へ出ると、艦の左舷側前方の陣取って僚機を待った。
モニター越しには灰色の月面が大きく広がり、その地平線上には
連邦艦隊の姿が小さく見えた。

『お待たせしました、中尉』

『さあ、行きましょう!』

続いて発進してきたレーマー機とメーゲン機がルツ機の左右に陣取った。

「第2小隊は正面の警備艦隊に向かう。 行くぞ!!」

『了解』

2人からの返答を聞き、ルツはペダルを踏み込んだ。
ザクのランドセルについたバーニアから炎が噴き出し、ルツのザクは
連邦の月面警備艦隊に向けて飛び始めた。

6つの小さな点だった連邦艦隊の姿が徐々に大きくなり、その艦型が
判別できるようになってきた。
連邦艦隊はマゼラン級1隻とコロンブス級1隻をサラミス級4隻で囲むような
隊形をとって進んでくる。

ルツは少し速度をあげて連邦艦隊に向かっていく。

そろそろ連邦艦隊が射程距離に入ろうかというとき、連邦艦隊ピンク色に
光ったかと思うと、連邦艦の砲撃がルツたちの方に向かってきた。
だがその狙いは甘く、ルツたちのザクから遠く離れたところを通過していった。

その光を横目で追っていたルツが艦隊に目を戻すと、コロンブス級のハッチが開き
20機ほどの戦闘機が発進していくのが目に入った。

「敵艦が戦闘機を発進させたぞ」

『了解です』

『はい、視認してます』

ルツが僚機に向かって呼びかけると、即座に2人から返答があり
ルツはヘルメットの中で軽く笑みを浮かべた。

そうしているうちに、連邦の戦闘機は2隻のサラミス級を追い抜いて
ルツ達のザクに向かってくる。

「来るぞ、迎撃準備!」

ルツは僚機に向かって指示を出すと、自分自身も右手のマシンガンを
戦闘機に向かって構える。
先頭の機体を射程にとらえると、ルツは引き金を引いた。
120mm径の弾丸が次々と銃口から飛び出して戦闘機に向かって
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