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ジオン独立戦争記〜名もなき兵士たちの転戦記
1.エルネスト・ルツ中佐編
第2話:グラナダ降下作戦
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を布告する。
 これから、長く厳しい戦いになるだろう。 だが国民諸君、耐えてほしい。
 この戦いが終わった時、我らは新たな宇宙へとたどり着くことができるはずだ。
 その日を皆で迎えるために、国民よ私に続け! ジーク、ジオン!!』

ギレンの演説が終わると、待機室の中は一瞬の静寂に包まれた。
直後、"ジークジオン"の掛け声で部屋の中が満たされる。
どの顔も高揚感と興奮に満ちていた。
ルツも右手を高く掲げ、高らかに声を張り上げた。
掛け声を3度繰り返し、待機室の中に再び沈黙が訪れる。
その時、艦内放送を知らせる電子音が鳴った。

『艦長のヴェーゼルだ。 本艦はこれより所定の作戦行動に入る。
 諸君の勇気と忠誠に期待する。 総員、戦闘配置!』

艦長の放送が終わると、待機室の正面に立ったメンヒ大尉が手を叩いた。

「よーし、お前ら。 いよいよ本番だぞ。 全員モビルスーツに搭乗して待機」

「了解!」

8人のパイロットたちはメンヒに向かって揃って敬礼すると、
通路に出て格納庫へと向かった。
ルツは格納庫へとたどり着くと愛機の足元へと跳ぶ。
そこにはシェンクが待っていた。

「伍長、俺のザクに問題はないな?」

「もちろんです! 隅々まで点検してすべて問題なしです!」

シェンクは親指を立てた右手をルツに向け、満面の笑みを浮かべる。
ルツはシェンクに向かって無言で頷くと、床を蹴ってコクピットへと
跳び上がっていく。

「中尉!!」

大声で呼びかけられ、コクピットハッチに手足を掛けたルツは格納庫の床に立つ
シェンクの方を見下ろした。

「中尉。 1機でも多くの敵を倒してきてください!
 あと、無事なお帰りをお待ちしてます!」

「ああ。 お前も怪我しないようにな!」

ルツはシェンクに向かって手を振ると、ハッチを潜ってコクピットの中に入る。
シートに身を沈めると、ヘルメットを被り、ベルトを締めて、手なれた手付きで
ザクを起動していく。
ハッチが閉まると正面と左右にあるモニタにモノ・アイが捕えた映像が
映し出される。

左右のレバーを操作してザクの腕を動かすと兵器ラックからマシンガンと
バズーカを取り、マシンガンを右手に握らせ、バズーカは腰の後のハードポイントに
固定した。

『各機、状況を知らせよ』

メンヒからの通信に"出撃準備完了"と返すと、ルツは目を閉じて一度大きく
深呼吸する。 その間に他のパイロットたちも続々とメンヒに返信していく。

『全機出撃準備完了だな。 了解』

全員の出撃準備が完了したことを確認したメンヒから再び通信が入り、
一旦通信ウィンドウが閉じる。
だが、立て続けに別の通信ウインドウが開き、艦の通信オペレータを務める
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