#9『ミラフィ』
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努めて明るく声をあげる。だが、主はただ、
「ああ……」
と、気の無い返事を返すのみである。
ソフィは知っている。ミラフィには感情の起伏が異様に少ない。彼はその異能を暴発させていたころに受けてきた罵詈雑言や厳しい対人関係によって、限界近くまで摩耗してしまっている。今でこそまともな会話が可能になったが、二年ほど前までは言葉を交わすことすら難しかったのだ。
恐らくミラフィが《感動》を執拗に追い求めるのは、それに出会うことで自らの感情を取り戻したい、という願いがあるからではないかとソフィは思っている。ならばなおさら、ミラフィにはその《感動》に出会ってほしい。
それは、ソフィだけではなく、第七師団全員の願いであった。
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