リリカルなのは
MS少女
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「いけっ、ファンネル!」
スバルの掛け声と同時に、12個のファンネルが標的にとびかかっていく。
標的のガジェットは無数のファンネルによるオールレンジ攻撃に翻弄される。
ファンネルから放たれるのは、シューター程度の魔法であり、一撃一撃は非常に軽い。
しかしながら、足止めには十分だった。
「わたしのこの手が光って唸る お前を倒せと輝き叫ぶ! 必殺!シャァァァイニングゥ フィンガァァァー!!」
赤く発光するリボルバーナックルを構えガジェットに突貫するスバル。
その右手をガジェットに突き刺した。
その後、素早くその場を離れると。
「ヒートォ、エンドォッ!」
叫び声と同時に、ガジェットが大爆発を起こした。
やっぱり、ガンダムはいいなあ、と思いながら眺める俺。
「よしっ!」
にこにこしながら腕をぶんぶんさせる様は、子犬みたいで微笑ましい。
巨大なガジェットを笑顔で粉砕したことを考慮しなければ、だが。
嬉しそうにガッツポーズをするスバルに声をかける。
「デバイスの調子はどうかね?」
「最ッ高ですよ、ドクター!いまならトーレ姉にも勝てる気がします」
元気に返事をしてくる。
今回は、スバルの専用デバイス「キング・オブ・ハート」の性能テストを行っていた。
既にほぼ完成しており、今回の実験は、最終テストといってよい。
カートリッジ搭載型の最新型アームドデバイスである。
喜んでもらえて、心がほっこりする。
もっとも、顔には一切現れないが。
相変わらず俺の表情筋は死んでいるらしい。
「そうかい。なら、すぐに試すといい」
「はい?」
俺の言葉に、訳が分からないよ、という顔をするスバル。
なんともスモークチーズを食べさせたくなる顔だ。
そんな彼女の後ろを指さす。
「ほう、私に勝つとは大きく出たな。さっそく模擬戦をしようじゃないか」
スバルが、油の切れたように機械のようにギギギとゆっくりと振り返ると、そこには、
「げえっ、トーレ姉」
――――とてもいい表情をしたトーレがいた。
じゃーんじゃーんじゃーんと銅鑼が頭の中で鳴り響いたような気がした。
コロス笑み、というやつだろうか。
半泣きになりながらトーレに引きずられていくスバルを見ながら思う。
しってるか?大魔王からはにげられない!
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