第四章『白玉楼』
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落ちぶれちゃいないさ」
「それを聞いて安心した」
そうしてようやく声の主である妖夢を探す。
「にしてもどこだ?さっきから妖夢の姿が全然見当たらないんだが」
二人であたりを見渡すがそれらしき人影が全く見当たらない。
「どこを見ている。私はここにいるぞ」
再び声がしたのでそれを頼りに探してみると存外なことにすぐ見つかった。どうやらずっと屋敷の入り口の前に立っていたようだ。銀髪のショートカットで緑色が所々入った服を着ている。背中と腰の辺りに長さの違う刀が鞘に収められている。
「全く。お前たちは先ほどからどこを見ているんだ?すぐ目の前にいたと言うのに此方に視線を一度も向けてくれないとはどういうことだ?」
と、ややご立腹なご様子。
「いや、大体いきなり声がしたし目の前にいるとは思わないでしょうから」
と、風がすかさず反論する。
「そんなことはどうでもいい」
が、あっさり流された。
「お前たちが誰であろうと関係ない。先ずは斬る。話はそれからだ」
そう言って妖夢は腰と背中にある長さの違う刀をそれぞれ抜く。
「やっぱ楼観剣と白楼剣って長さちがうんだ」
と、素直に感想を言う。
「!?この刀知っているのか?なぜ知っている!?」
いきなり刀の名を言われて驚きを隠せない様子の妖夢。
「いやまぁ、それぐらい知っておかないとこの世界じゃやっていけないし」
「・・・まぁいい。取り敢えず斬る」
妖夢は刀を構え風と零に斬りかかる。
「ふむ、ならばよかろう。戦争だ」
と、一回目の攻撃を避けて呟いた風だったが手元に何も無いので取り敢えず妖夢の次の攻撃を避けた。ちなみに零は風が呟いている間に妖夢からそれなりに距離をとっていた。
「そういや俺・・・・。何も武器もってなかった!!」
妖夢の三回目の攻撃をどうにか避けながら零に叫ぶ。
「オマエハバカナノ?シヌノォ〜?」
「おまっ!俺を助ける気ねぇだろ!?」
妖夢の猛攻を必死に避けながら叫ぶ。
「うん、ないよ(てへぺろ☆)」
「このっ!裏切ったか!?」
叫んで言ったつもりだが零は口笛を吹いて聞かなかった振りをしている。
「ちっ、ちょこまかと!!」
じれったくなったのかさらに妖夢はさらに攻撃を仕掛ける。
「わぁっぶな!?」
妖夢が水平に斬りにかかり風はギリギリのところで避けた。
「ちっ、そのまま死ねばよかったのに・・・」
それを遠くから見ていた零が風に聞こえるように舌打ちをする。
「貴様!!それでも味方か!」
「味方?何それ?古代文明に使われていた言葉?」
やや笑いながら零が言う。零に頼った俺が馬鹿だった。と、妖夢の攻撃を必死に避けながら後悔する。
「まぁ、流石にヤバそうだから助けてやるよ、仕方ないか
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