第十二話 終局
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れた。
「!!」
ふと、ヘリの下から鳥が力強くはばたき、遠沢の目の前を通って、雲の切れ間に覗く太陽を目指して飛んでいった。遠くなっていく鳥の尻尾を視線で追いかけて、遠沢は唇をキュッと結んだ。
(……死ぬ事すら許されない私は、どちらにせよ、生き続けるしかない、か。未来を夢見て死ぬ事が許されないんだから。今を生き続けるしかない……)
閉じていく雲の切れ間に突進していく鳥の後ろ姿を見送って、遠沢は目を閉じた。
下には、日本列島。
そしてそこに、今日も変わらず生きている、日本人達が居た。
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