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魔法少女リリカルなのはStrikers〜誰が為に槍は振るわれる〜
第一章 夢追い人
第2話 心を許せない仲間
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 よくよく考えてみれば、確かに今回の出向での任務がデスクワーク周りだけというのは彼個人にとってはかなり不満だろう。
 情報量こそ少なかったが、事前に送られてきたパーソナルデータにも、彼が優秀な騎士であるということは明白だった。
 いくらデスクワークができるとはいえ、ただそれだけのためだけに他の部隊へ出向し戦線から遠ざけられるというのは、彼の優秀な騎士であるという自負心に泥を投げつけているのと同じ。

 つまるところ、先程の彼の質問は実際には質問ではなく、デスクワークだけしかやらなくていいなら他の人間にしろという抗議だったのだ。

 その結論に至り、考えすぎな自分にあきれて苦笑を浮かべた。

「いや、もちろん戦闘にも参加してもらうで。六課には優秀な人材を腐らせとく余裕なんてないしな」
「それに戦力は多いに越したことはないですしね!!」
「むしろこちらからお願いしたいくらいだよ」

 はやての答えにリインとフェイトも強く頷く。
 その様子と言葉に安心したのか、きつく結ばれていたラディオンの眉根も元の形に緩んだ。

「いえ、それならいいんです。こちらこそ失礼な態度と物言いをしてしまい、申し訳ありません」
「えぇよえぇよ頭なんて下げんで。説明不足やったこっちが悪いんやから」

 頭を下げようとするラディオンをはやては手を振って制止する。
 一瞬彼は中途半端な位置で止まった頭をそのまま下げるか上げるかで悩んだようだが、素直にはやての指示に従い下げかけていた頭を上げた。
 
「さて、以上がここでやってもらうラディオン君の仕事なわけやけど、納得してもらえたかな」
「はい。大丈夫です」

 先程のことがあったからだろうか。納得という部分に少しバツが悪そうな表情をしたものの、今度は素直にうなずいた。
 
「そか。なら早速で悪いんやけど、一つ仕事を頼みたいんよ」
「仕事……ですか」

 仕事という言葉に、ラディオンとフェイトは身構え、肩の辺りでふわふわと浮かんでいたリインはあっとなにか気づいたような顔をする。

「先程、機動六課の正式な後見人でもあるカリム・グラシア少将から、あるロストロギアの回収任務が下された。特別危険言うわけやないけど、場所が場所だけに、早めに回収してほしいいうことや
もちろん、ラディ君一人やのうて、他の前線メンバーも一緒や」
「場所が場所……ですか。市街地の付近とか、そういう感じですか?」

 説明に即座に反応し質問を返すラディオンに、はやては当たらずも遠からずやと笑った。

「ロストロギアの発見地点は、なんと――第97管理外世界地球の日本、海鳴市。うちら隊長陣の故郷や」



to be continued

 
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