暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikers〜誰が為に槍は振るわれる〜
第一章 夢追い人
第2話 心を許せない仲間
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主の心中を察しながらも、彼女の愛機であるバルディッシュは応える。
いつもと変わりない無骨で無愛想、けれど力強くて暖かいその声に、少しだけ心が落ち着くのを感じながらフェイトは笑った。
いつもみんなと――仲間といるときの笑顔を意識して。
≪問題ありません。大丈夫です≫
「ありがとう、バルディッシュ」
短いやり取りではあったが、それでもフェイトの心はいくらか平静を取り戻した。
いまだ好調には程遠いが、それでも先程よりは随分とよくなった。
これならば初顔合わせ早々、不安げで自身のない顔を見せて新人を幻滅させることはないだろう。
さぁ、行こう。
心の中で気合いをいれ、フェイトは扉の隣にあるコンソールへと手を伸ばしボタンを押す。
少しの間の後、どうぞという聞きなれた声がし、部屋のスライドドアがゆっくりと横へと滑る。
「失礼します」
部屋に入りまず最初に見えたのは、親友であるはやての姿。
いつも一緒にいるときとは少し違う笑顔を浮かべながら自分のデスクに座っていた。
そして次に見えたのは、来客用のソファの前に立つ一人の青年。
地上
(
りく
)
の制服に身を包んだ、白髪と黒目の部分に青の混じった瞳が印象的な青年。
そうか、この人が……
「初めまして。今日からお世話になります。ラディオン・メイフィルスといいます。よろしくお願いします」
こちらの視線に敬礼をする青年――ラディオン・メイフィルス。
彼に合わせフェイトも敬礼を返した。
「初めまして。ライトニング分隊分隊長のフェイト・テスタロッサ・ハラオウンです」
よくあるなんの変哲もない新人とその上司のやり取り。しかしこれまで何度も繰り返してきたそのやり取りに、フェイトはどこか違和感を感じていた。
その違和感を頭の隅に押しのけ、フェイトは開いた手を彼に差し出したのだった。
「これから一年間、よろしくお願いします」
○●○●○●○●○●○
差し出された手を取り握手を交わすフェイトとラディオン・メイフィルスを見ながら、はやては彼を受け入れる上での一つの不安が的中してしまったことを悟っていた。
(こりゃフェイトちゃん全然警戒しとらんな……)
一応フェイトにもラディオン・メイフィルスが地上本部から送られてきたスパイであるかもしれないということはそれとなく伝えてある。伝えてあるのだがどうもこの様子だと、頭の片隅に置いてあるだけで、危機感を抱いてはもらえなかったようだ。
昔から人を疑うことを知らないほど世間知らずではないのだが、どうにも身内を疑うことはできなかった。執務官という人を疑うことが仕事のような職についても結局それは変わらなかった。
その純粋さはフェイトの美点であ
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