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魔法少女リリカルなのはStrikers〜誰が為に槍は振るわれる〜
第一章 夢追い人
第2話 心を許せない仲間
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ある点で問題が起きてしまった。
デスクワークである。
そもそも機動六課は、レリックと呼ばれるロストロギアに対応するための部隊という面の他に、少人数精鋭で構成された機動力に富んだ部隊の試験的運用という実験的部隊の側面も持っている。
そのため隊員のデスクワークの中には、通常の部隊のものとは別に、実験的部隊特有のものも上積みされており、他の隊に比べて量的に多くなっている。
だが分隊長であるフェイトはライトニング分隊の隊長としての業務の他に、執務官としてレリック事件の捜査と、法務担当官としての業務もあり、多忙を極めている。
その上、分隊員であるエリオとキャロはデスクワークに不慣れであり、結果ライトニング分隊のデスクワークはギリギリの状態になってしまったのだ。
無論それでもやらなければいけないことはきちんと期日以内にこなせているのだが、前線部隊の隊員という職務上、いつ事件が起き、そしてその報告書を上げなければならなくなるか分からない。
もしそういった事態に陥った時、ただでさえギリギリの状態で回しているライトニング分隊が仕事をこなすことができるかと聞かれれば、答えは限りなく厳しいものになる。
それを口実に自分たちの手の者を送り込む絶好のチャンスと見た地上本部が、ラディオン・メイフィルスを出向させた――それが今回、機動六課が新人を迎えることになった経緯である。
無論、このことに関してフェイトに落ち度などない。
むしろこれまで三足のわらじをはいた状態でよくやったと褒められていいくらいである。
だが、生まれった持った性格というやつだろうか。彼女自身が許せないのだ。
もっと効率よく仕事をこなすことはできなかったか?
あの時間を仕事に回せばよかったのではなかったのか?
もっと自分に余裕があれば、エリオやキャロ達に気を回すことができたのではないか?
考えれば考えるほど自分を責める言葉しか浮かんでこない。
だからこそ今回のこの失態はフェイトにとって止めの一撃といってもいいほどのものだった。
それこそ部屋の隅に座ってひたすら暗く沈んでいたいくらいに。
胸の内の暗い気持ちとは裏腹に足は慣れた道どりを順調に辿り、気づけばもうフェイトは目的地である部隊長室へと着いていた。
心は依然自責の念で暗澹としていて、冗談でもこれから面倒をみることになる新人に会える状態ではない。だが、もう先延ばしにすることはできない。
少しでもマシになればと、彼女は一度、深呼吸をして呼吸を整える。
「バルディッシュ、私、大丈夫かな?」
部隊長室と書かれたプレートが掲げられた部屋の前で、フェイトは長らく連れ添ってきた相棒に尋ねる。
その声はひどく弱々しく、不安げに揺れていた。
≪笑ってみてください≫
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