眷属、集めます
第25話
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ましょうか?敗者は黙って勝者の言うことを聞きなさい。ちなみに勝者の権利は白音さんに譲渡しますよ。白音さん、どうしたいですか?」
僕の言葉に白音さんが涙を拭き、泣きながらも笑顔を作ってはっきりと自分の願いを告げる。
「……私は、お姉ちゃんが傍に居て、祐斗さんが傍に居て、『断罪の剣』の皆が居る。そんな風に暮らしていきたいです。痛い目に会うのも、怖い目に会うのも耐えれます。だけど、寂しいのは耐えられないんです」
そう言って、もう黒歌を離さないとばかりに強く抱きつく。
「……白音、ごめんね。寂しいのは辛かったよね」
黒歌は抱きついている白音をあやす様に頭を撫でる。
「一つだけ条件がある。これでもヴァーリ達には恩義があるにゃ。だから、出来れば戦いたくない」
「良いでしょう。ヴァーリチーム相手に限り戦場を放棄する権利をあげましょう。代わりに黒歌と言う名を捨ててもらいます。さすがに黒歌と言う名は三勢力で悪い意味で有名過ぎますから」
「分かったにゃ。名前は貴方が決めて。私を縛り付ける意味でも」
「そうですね。白音さんの名ともじって黒音では安直過ぎますから読みを変えて漢字も変えて“久遠”。親戚の姉とでもしておきましょうか。苗字はそのまま塔城で良いでしょう」
「塔城久遠、か。まあまあかにゃ」
「それとちょっとした細工をしておきましょうか」
破戒すべき全ての符を作って黒歌、じゃない久遠に突き刺して悪魔の駒を取り除く。それを見て久遠が驚いていますが、説明は後です。時間が本格的に少なくなってきました。収納の魔法陣から堕天使に転生させるトランプのAを取り出して久遠に渡します。
「こいつは堕天使に転生させる事が出来るトランプです。悪魔のままだと面倒事が多いのでこれで堕天使になれば別人と判断されます。それとも天使の方が良かったですか?」
「呆れて物が言えにゃいけど、とりあえず堕天使で良い。すぐに堕天しちゃいそうだし」
そう言って久遠はトランプを身体に入れて堕天使へと転生しました。なんとか最低限の説明は終わりましたね。おっと、十字架は外しておきましょうか。
「さて、それじゃあ最初の指示です」
「猫使いがあらいにゃ。それで、何をすれば良いの?」
「僕の治療お願いしますね」
「「へっ?」」
次の瞬間、全身から血が噴き出す感覚を最後に僕の意識は途絶えた。
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