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魔法少女リリカルなのはStrikers〜誰が為に槍は振るわれる〜
第一章 夢追い人
第1話 得体の知れない新人
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凶悪犯罪へ対抗するためという名目で設立された部隊であり、言うまでもなく上位組織は設立した張本人である地上本部となる。
そしてこの機動六課の所属は本局の古代遺物管理部。
本局と地上本部の仲の悪さを考慮に入れれば、十中八九このラディオン・メイフィルスという人間はスパイで間違いないだろう。
しかも首都防衛隊は現地上本部の最高権力者であるレジアス・ゲイズ中将その人の強い要望により設立されたということもあり、今の地上本部のあり方に肯定的、言い方を変えれば盲信的な人間が多いと言われている。
隊の中にはゲイズ中将が掲げる理想のために、表では処理できない裏の任務を遂行するための闇の部隊まで存在するとまで噂され、犯罪者はおろか同じ局員からも恐れられる始末である。
その人物の人となりや長所、これまでに配属された部署やそこでどのようなことをやってきたか。本来はもっとも内容が濃くなるはずの特記事項の部分の薄さから考えるに、このラディオン・メイフィルスという人間は、悪いことにその“闇の部隊”の側の首都防衛隊の隊員である可能性が高い。
そんな後ろ暗い経歴の人間の派遣である。たとえその人間がどんなに優秀でも、喜ぶことなどできはしない。
そしてその
危険人物
(
しんじん
)
が今現在どこにいるのかというと――
「んでリイン、その新人君は見つかったん?」
「あう……見つかってないです。ごめんなさいです」
それまで楽しそうにパーソナルデータを眺めていたリインだったが、はやての問いかけに申し訳なさそうに肩を狭めた。
そう。いま地上本部から送りつけられたこの
爆弾
(
しんじん
)
は絶賛行方不明なのである。
話は一時間程前に隊舎ロビーに設置されているカメラが一人の見知らぬ少年を捉えたところから始まる。
陸上警備隊の制服こそ身に着けていたものの、その場にいた人間が誰も彼の顔に見覚えがなかった。そこで不審に思った管制室にいた隊員たちがはやてにこのことを報告し、もしやと思いカメラの画像とパーソナルデータの顔写真を照合した結果、その見知らぬ少年が件の新人君であることが判明したのである。
もちろんこうした混乱を避けるため、六課の側でも案内人を用意していたのだが、流石に一時間以上も前から準備はしていなかった。
このままではまずいということで監視カメラと手の空いていた人員を総動員して彼を捜している、というのが現在の状況である。
「ほんとに面目ないです……」
「いや、ほんま気にせんでええよ〜」
「ううぅ〜ごめんなさいです〜」
「え〜と、ほんまに気にしとらんのやけどな……」
一時間もかけて人一人見つけられないことに責任を感じているのか、再び謝るリイン。
ただでさえ小さな体をさらに小さくして謝る姿はなんとも痛々しい。
はやても気にしてないとフ
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