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水華
第二章
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は湖に行くのだ、二人でな」
「二人でか」
 ワヨタはその言葉を聞いて目を暗くさせる。顔もまた。
「左様、二人で湖に入れ」
「湖にですか」
「左様」
 またオジータに言う。
「わかったな」
「湖に入ったら俺達はどうなるんだ?」
 ワヨタはその暗い目で老人に問う。
「入ったら」
「入ればわかる」
 彼は言う。
「しかし。それで御主達は人ではなくなる」
「人では」
 ワヨタもオジータもその言葉が心に刻み込まれる。彼等の部族も精霊、人以外への信仰がある。それでも人でなくなるというのは怖いことであった。彼等は思い詰めた。
「だが一緒になれる」
「一緒にか」
「そう。ずっとな」
 そう彼等に言う。
「どうするのじゃ。どちらを選ぶのか」
「・・・・・・私、それでもいい」
 オジータは俯いていた。俯いているが意を決した。
「ワヨタと一緒にいられるのならそれでいいわ」
「いいのじゃな」
「はい」
 オジータは決めた。彼女のその決意を見てワヨタも決意した。

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