第四章
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「そうなるわ」
「じゃあロリータファッションとか着て?」
「そうしたメイクもして」
「声優の上坂すみれさんとか?」
「あの人みたいに」
「あっ、あの人いいわよね」
その声優さんの名前にだ、杏は反応して言った。
「実際に」
「そうでしょ、あの人いつも女の子らしいから」
「かなり独特のキャラクターだけれどね」
「声優さんそういう人多いわよね」
杏は女の子らしさとは何かと勉強しているうちに声優にも辿り着いたのだ。そうして声優さん達の画像を思い出して言うのだった。
「女の子らしい格好してる人が」
「小柄な人が多い業界だしね」
「声は特にだしね」
「だからね」
「女の子らしいファッションやメイクの娘が多いのよ」
「悠木さんもいいわね」
杏はこの人の名前も出した。
「悠木碧さんも」
「あの人とりわけ小さいしね」
「女の子よね」
「私達よりも年上だけれどね」
「かなり女の子らしいのは間違いないわね」
「上坂さんにしても悠木さんにしても」
どちらの声優さんでもと言うのだった。
「私女の子になるわよ」
「そう、じゃあね」
「頑張ってね、今以上に」
「ええ、そうしていくわ」
こう答えてだ、さらにだった。
杏はさらに女の子らしくなろうと努力した、私服はロリータになりメイクも少女めいたものにしていった。アクセサリーも飾ってだった。
喋り方も愛読書も趣味もだった、完全に女の子になった。それでクラスメイト達もその杏を見てそのうえでまた言った。
「もう完全にね」
「女の子よ」
「動きだってね」
「そうした感じになってるわよ」
「部活でも言われてるわ」
杏は得意になった感じの顔で述べた。
「見違えたって」
「女の子になったって」
「そう言われてるのね」
「しかもね」
にこにことしてだ、杏はさらに話した。
「この前告白されたの」
「えっ、誰に!?」
「誰になの?」
「D組の湧田君よ」
彼にだというのだ。
「告白されたの」
「そうなの」
「それでなの」
「そうなの、それでね」
告白されてだ、そしてだというのだ。
「受けたのよ、その告白」
「じゃあ今はなのね」
「杏ちゃん彼氏もいるの」
「彼氏出来たのね」
「いや、やっぱり女の子は女の子らしくよ」
それが一番だというのだ。
「男の子みたいじゃ駄目よ」
「そうなるのね」
「つまりは」
「ええ、そう思うわ」
こう上機嫌で話していた、女の子らしくなれただけでなく彼氏が出来たことでもそうなっていた。そうしてだった。
杏はその彼氏湧田裕次郎背が高く爽やかな顔のしかもボクシングをしていて逞しい身体つきの彼と楽しく交際をしていた、だが。
ある休日のデート中にだった、不意に。
楽しい時間を過ごしな
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