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Fate/EXTRA〜もう一人のアーサー王〜
運命は優しく…残酷だ
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翌日。俺はゆっくりと目を開けた。一番最初に見たのは俺の部屋の天井。起きたばかりのせいで若干ボヤけて見えるが目を何回か擦り、視界を元通りにする。

体を起こし、はぁ…と溜め息を吐く。

(やっと眠れた…)

昨晩はなかなか寝付けず大変だった。昨晩、いつも寝る場所が違うせいなのかそれともセイバーが裸で部屋を出歩くからなのか…。分からないがとにかく寝るのに苦労したことは間違いない。

今でも眠気の波がどうしようもなく押し寄せてきて少しでも気を抜くと眠りに落ちてしまいそうになる。俺はベッドから降り、眠気を落とすべく洗面所へと向かう。

いつもの朝の流れで蛇口を捻り、水を出す。両手で器を作り、水を貯めて顔にかける。それを三回ぐらい繰り返すが眠気は一向に落ちない。なんとなく俺は鏡を見た。案の定、眠たそうな顔をしている俺の顔が自分を見つめ返していた。

「眠っ…」

そんな事を言いながら側に置いてあったタオルに手をかける。ゴシゴシと顔の水滴をタオルで吸わせる。これで眠気も一緒にとるために少し強めで擦るが一向にその効果は発揮されない。

「お、目を覚ましたようだなマスター」

セイバーの声が聞こえてきた。どうやら彼女も起きたらしい。案外起きるの早いんだなと思いながらタオルから顔を離し、声が聞こえてきた方向へと顔を向ける。

「ッ!!?」

うっかりしていた、と自らの行いを後悔した。部屋の設置上、風呂と洗面所は共同。一応、風呂場には仕切りの為のカーテンがあるがそんなもの気休めにしかならない。カーテンを開けてしまえば丸見え必須。

つまり何が言いたいかというと、

ーーセイバーが風呂上りの状態で俺の傍に現れた。

「なんだァ?まるで人を化け物のように見る反応は」

やや不機嫌に言うセイバー。確かにこちらの反応としても申し訳なかった。しかし、こちらからも反論させてもらおう。朝シャン上がりの女の子が素っ裸で傍に立たつなんて誰が予想する!いやできない!俺には想像できない!そんな事を想像出来るのは相当の変態だ!だから今度ばかりは言わせてもらう。いい加減恥ずかしがれ!と。




「すみませんでした」



俺の体は俺の思考を裏切った。腰は直角に曲がり、頭も精一杯下げていた。ああ、俺って本当バカだ。なぜ素直に言えない。いつか言わなくちゃいけない事だろ。自分のチキンさにホトホト呆れる。

「まぁ良い」

セイバーは少し不満気に言いながらいつもの自分の私服を身に纏う。着替え終わるまで俺はずっと壁と睨めっこしてセイバーをなるべく見ないようにしていた。

「一つ……言っても良いかマスター」


「ん?なに?」

着替えをしながらセイバーは俺に話しかけた。しかしセイバーの声には少し戸惑ったよ
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