第八章
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「ほっほっほ、死人共に食われてじゃ」
「死ねっていうんだな」
「主も死人になるのじゃ」
こう言うのだった。
「そうしてわしの僕となるのじゃ」
「グールねえ、もうな」
「もう。何じゃ」
「知ってるんだよ、とっくにな」
「知ってるとな」
「弱点も何もかもな」
そうしたことをというのだ。
「ついでに言えば俺も馬鹿じゃないんだよ」
「馬鹿でも何でも主はここで死ぬのじゃがな」
「人間頭がいいと死なないんだよ」
これが本郷の反論だった。
「だからな」
「さっきから何を言いたいのかわからんが」
「こういうことだよ」
こう言ってだ、そしてだった。
本郷は右手からあるものを出した、それは。
札だった、その札を出してそのうえでだった。
己の身体に張った、するとだった。
激しい光がその全身を包んだ、その光でだった。
グール達を寄せ付けない、グール達は自然とその彼に近寄れなくなり遠間になった。老婆はそのっ本郷を見つつ言った。
「イスラムの術ではないのう」
「陰陽道でな」
「日本の術か」
「ああ、こっちでも光が一番尊かったな」
「ペリじゃ」
老婆は忌々しげに言った、イスラムで言う天使だ。
「我等が最も嫌うものじゃ」
「ペリは光の化身だったよな」
「ペリは光から作られる」
「だから光の力を使ってな」
「死人達を寄せ付けぬか」
「燃やす訳にはいかないからな」
例えグールになってもだ、本郷は今もザッハラームとの約束を律儀に守ってそれはしようとしないのだ。
「グールは操っている手前さえ倒せば元に戻るだろ」
「如何にも」
「じゃあ手前を倒せばいいんだよ」
死人使いである老婆を、というのだ。
「簡単なことだな」
「言ってくれるのう、つくづく」
「覚悟はいいな」
本郷が全身を眩い光に覆わせたまま刀を構えて言った。
「一太刀で終わらせてやるぜ」
「わしを倒してもイスラマバードに行ってもじゃ」
「ああ、手前の頭の中はもう全部役さんが読んでるからな」
「イスラマバードの何処に誰がおるのかも」
「全部わかってるからな」
「倒しに行っておるのか」
「確実にな、そっちも残念だったな」
本郷は老婆と対しながら言う。
「手前等の計画は全部終わりだよ」
「抜かすわ。わしも倒してか」
「そういうことだよ」
「その言葉が成らぬ様にしてやる」
老婆は蹲ったままこう言ってだ、そうして。
その身体からあるものを出して来た、それは。
手だった、黒く禍々しい瘴気で出来た巨大な手だった。その手が幾つも出て来て本郷を襲う。
手は光さえも突き破り本郷に迫る、しかし。
本郷はその手の平の一つ一つをだった、その刀で貫き。
力を注ぎ込んだ、その力は光のものだった。
光が瘴
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