第四章
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だからだ、今日もだった。
洞窟の中に入った、するとその中には。
灰色のフードを被った老婆がいた、その老婆は二人を見て言った。
「この森の中に入られるとは」
「実はこの森の奥にいる竜が持っている妙薬を手に入れに来たのだ」
ガウェインは彼にもこう話した。
「民の為にな」
「左様ですか、しかし」
「この森の中はな」
「妹が渡した水晶玉を使われて来たと思いますが」
「そうだ、これをな」
ガウェインはこの老婆に七色に輝く水晶玉を見せた。
「借りた」
「そうですか、しかしここから先は」
「雪だな」
「雪が止まることなく降り」
そしてというのだ。
「前に進めません」
「とてもだな」
「はい、ですから」
それでだというのだ。
「ここから先に進むにはあるものが必要です」
「では何が必要だ」
「こちらのものです」
灰色の服を着ている老婆は二人に洞窟の中にあるものを指差した。見ればそれは二着の七色に輝くマントである。フードもあり全身を包めそうだ。
そのマントを指差してだ、こう言ったのである。
「このマントならば雪の中でもものが見えてしかも凍えることがありません」
「雪の中でもか」
「はい、乗られている馬にまでそれが及び」
そしてだというのだ。
「どの様な雪の中でも進める様になります」
「そうか」
「はい、ですが」
確かに雪を守ってくれる、だがrというのだ。
「このマントには魔力があり」
「それでは」
「その水晶玉と同じです」
使うには、というのだ。
「代償が必要です」
「ではその代償は何だ」
「そのマントは馬にも力を及ぼしますが」
それでもだというのだ。
「馬と相性が悪く、馬に乗ることが出来なくなります」
「馬にか」
「はい、そうです」
そうなるというのだ。
「そうなります」
「そうなのか」
「馬に乗っていると戦う時に有利ですね」
「全く違う」
それだけでだ、特にガウェイン達は騎士なので馬に乗ってこそその力を十二分に発揮出来る。それに最も慣れているからだ。
「それだけでな」
「それが出来なくなります」
「そのうえで竜と戦わねばならなくなるか」
「はい」
その通りだというのだ。
「そうなります」
「そうか」
「しかしこのマントを着なければ」
老婆はガウェインに話す。
「雪の中は進めません」
「とてもだな」
「そうです」
「ではだ」
その老婆の話を聞いてだ、ガウェインはこの時もだった。
即座に決断した、老婆にはっきりとした声で言った。
「そのマントを借りたい」
「そうされますか」
「さもなければ先には進められないな」
「左様です」
全く、というのだ。
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