第一章
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SOLITUDE
彼を愛している、そのことに偽りはない。
けれど私は彼に覚めた感じで言った。黄昏時の街の中で。
「好きとか嫌いじゃないのよ」
「じゃあ何だっていうんだよ」
「馴れ合いたくないの」
こう彼に言った。
「私はね」
「馴れ合いたくないって」
「恋愛と馴れ合いは違うわ」
これが私の考えだ、だから彼にも言った。
「これまで何度も会ってるけれどね」
「そうだよ、今だってこうして」
ホテルの一室の中にいる、そこでベッドの中に二人で入りながら話をしているのだ。愛しているから、求めているからこそ出来ることだとわかっている。
けれどそれでだもだった、私はそう考えているから言った。
「それでもね」
「携帯の番号もメールも」
「いつも何時何処にいるかは言っているわね」
別れる時に言っている、そのことは。
「最後に」
「それで会えるからいいっていうんだ」
「そうでしょ、私は自分からは言わないわ」
携帯の電話番号も家のそれも住所もだ、もっと言えば私自身のことも。
「決してね」
「じゃあどうしろっていうんだ」
「調べればいいわ」
それでだとだ、私は困った顔の彼に素っ気ない口調で返した。
「自分でね」
「そう言うんだ」
「ええ、そうよ」
「つれないね」
「つれなくはないわ、馴れ合いが嫌いなのよ」
ここでもこう言って返した。
「どうしてもね」
「じゃあ俺が自分で調べてか」
「見つけるといいわ」
ここで私はその見つけ方はあえて言わなかった、どうするかは彼次第で全部彼の好きな様にするつもりだった。
「貴方がね」
「そうか、それじゃあ今は」
「今度は三日後のね」
私はその次に会う時を彼に告げた。
「夜の八時、場所はサテライトで」
「サテライト、バーか」
「そこで会いましょう」
こう彼に告げた。
「いいわね」
「わかったよ、けれど好きだって言っておいて」
彼はベッドを出て服を着る私をそのベッドの中から見ながら唇を噛んで言った、
「つれないね」
「だから馴れ合わないのよ」
「そう言うんだね」
「そうよ、馴れ合いはしないから」
恋愛でもだ、それでもだった。
私は彼の前から姿を消した、三日後そこでその時間で会うと約束をして。私は約束を絶対に守る主義だ。彼もこのことは知っている。
だから彼もある程度は納得してくれている、それでもだった。
彼がある程度以上は納得しないこともわかっていた、だから。
その三日後サテライトで飲んだ後またホテルに二人で入った、だがここで。
彼がだ、私にこう言ってきた。
「明日有給取ったから」
「そうなのね」
「俺は今夜一晩一緒にいられるけれど」
「私もよ」
微笑ん
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