暁 〜小説投稿サイト〜
dark of exorcist 〜穢れた聖職者〜
第23話「アイリス・アリシアペア 喧嘩の終わり」
[1/3]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
アリシアがアイリスを助けるため、ラボラスを殴ってから5分が経っていた。

その光景を一言で表すとすれば、“喧嘩”だった。
悪魔狩りと上位悪魔との殴り合いの喧嘩。

アリシアの左フックがラボラスのこめかみに直撃する。
一瞬怯んだが、すぐに右アッパーで反撃した。

「ぐっ!!」

アリシアは胃液がこみ上げる不快感と鈍い痛みを堪え、右ストレートを放つ。
痛みを堪えた一撃であるにも関わらず、威力と精度が落ちていない。
アリシアの放った右ストレートは、そのままラボラスの顔面を捉え、グシャリと骨が潰れる音が鳴り響く。

「ごぉっ!?」

油断していたラボラスには、アリシアの一撃は相当効いたようだ。

「やるなぁオイ!」

鼻が折れているのも構わず、ラボラスは蹴りで反撃した。
アリシアは即座に回避しようとするが、腹の痛みで行動が少し遅れ、アリシアのこめかみを掠めた。

「チッ………」

ラボラスの蹴りを掠めたものの回避できたアリシアは、即座にバック転で距離を離す。



「あ〜あクソ、さすが強えなぁ〜」

「アンタはアイリスちゃんに手ぇ出したんだから………この程度で終わらせるわけないでしょ……」

アリシアは苛立った様子で首の骨を鳴らし、口の中の血を吐き出した。
ラボラスは楽しげな様子で折れた鼻に手をかけ、自力で鼻を元の位置に戻した。

お互いに身体中が血で汚れていた。


「アリシアさん! やっぱり私も手伝うよ!」

「アイリスちゃん!?」

アリシアはアイリスの姿を見て驚いた。
アイリスは黒いコートを脱ぎ、白いYシャツの袖を捲った状態で立っていた。
しかも殴り合いに参加するつもりなのか、両手をグーにしている。
だが、アリシアのような迫力や覇気を感じるものではない。

「おいおい、あのガキ俺らの喧嘩に参加する気か? なんかウケるな」

ラボラスは両手をグーにしたまま突っ立っていたアイリスを見て嘲笑う。
一方、アリシアは片手で顔を押さえていた。
手を離せば、ニヤケ顔を晒すことになる。

「(あぁ〜もうこんな時まで可愛いなぁアイリスちゃんは!! 早く目の前のコイツ潰して
アイリスちゃんをぎゅっとしたい!!)」

ニヤケ顔は隠せているが、涎は隠せていない。

「えっ………何? お前女のくせに同性のあのガキが……」

「そうよ溺愛してるわよ!! だって見なさいよ! 可愛いじゃない!」


アリシアの言葉に、アイリスはぽかんとした表情を浮かべ、ラボラスは引いていた。

「えぇ〜、私アリシアさんが言うほど可愛くないよ?」

「いやいや、俺と殴り合いしてるって状況でそんなセリフが言えるって引くわ………」

「アイリスちゃんは自分の可愛さを自覚して
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ