第三十一話
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扉をノックする音がする。私と従事長は扉の方を見て声を掛ける。
「誰ですか?」
「は!月詠真耶でごさいます。悠陽殿下にお届け物が有ったため、持って参りました」
「どうぞ、入ってください」
扉を開けて真耶さんが、手に小包を持って入って来た。
「失礼します。悠陽殿下、不動悠斗准将よりお手紙と小包が、届いております」
中に入って来た真耶さんから、手紙を受けとる。手紙を開いて読んで見ると、悠斗兄様から誕生日のお祝いの言葉か書かれていました。
「なんと書かれていますのですか?」
「従事長。悠斗兄様ったら私の為に、わざわざプレゼントを送ってくださったのです」
「そうなのですか!ならば、開けた方が良いですね」
「真耶さん」
「は!」
「小包を開けてくれませんか?」
「畏まりました」
真耶さんが、手に持っていた小包を開ける。中から小さな小箱が出てきた。小箱を真耶さんが、手に取り私の前で開ける。中には指輪が入っていました。
「これは、また凄い指輪ですね〜」
「あら?従事長は指輪に付いている宝石が、何なのか分かるのですか?」
非常に綺麗な緑色の宝石の様ですが、生憎私はこのような宝石とは、縁が無かったので分かりません。真耶さんを見ると、何やら怒っている感じがします。何か有ったのでしょうか?
「はい。この宝石はエメラルドです。しかも、天然石では初めて見ました」
「確かに。昨今は天然石を手に入れるのは並大抵の事では無いですから」
BETAの進行により、地球上で宝石の原石を掘り出せる場所は非常に限られており、宝石そのものが手に入り難いのです。悠斗兄様は、何処でこのような指輪を手にいれたのでしょうか?
「フフフ。悠斗め。覚えていなさい。悠陽殿下に指輪をプレゼントしていて、私には何もないのですから、覚悟していなさい!」
黒いオーラを全快にしている真耶さん。その後、従事長と二人で真耶さんを宥めるのに苦労するはめになってしまいました。因みに、指輪のサイズはピッタリでした。何故、計ってもいないのに悠斗兄様は、分かるのか不思議でなりませんでした。従事長から、宝石の意味を聞いたら希望と言われました。悠斗兄様は、私が帝国の希望と仰るのでしょうか?そんなことを考えながら、真耶さんを宥めるのでした。
悠陽sideout
???side
私は今、部屋で勉強に励んでいる。一時間程前までは、紅蓮醍三郎師匠に稽古を着けて頂いていた。本日は私の誕生日だ。師匠からは、お祝いの言葉を頂いた。祖父からも、同様にお祝いの言葉を頂いた。今日は、もう一人あの方の誕生日でもある。幼少の頃に別れてしまった、姉上の誕生日だ。いや、姉上ではない。煌武院家の方
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