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ツンデレ
第三章
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第三章

「貴方にはこれなんてどうかしら」
「これ?」
「そうこれ」
 出してきたのはアライグマのぬいぐるみだった。白い大きなものである。
「これなんてどう?」
「そうだね。それじゃあ」
「安くしておくから」
「えっ、安くって」
「特別サービスよ」
 何故か口を波線にして聡に言う。その様子もまた実におかしなものであった。今までの彼女の態度とは全然違うものであった。
「特別ね。だから感謝するのよ」
「わかったよ。それじゃあ」
「あとこれも」
 ハムスターの小さなぬいぐるみを出してきた。
「これはサービス。あげるわ」
「あげるって」
「断ったら許さないから」
 こうまで言う。裕樹と逸郎はそんな彼女を見て余計に言うのだった。
「ひょっとしてこれって」
「だよなあ」
「はい、わかったらさっさと買うのよ」
 絵梨奈はまた聡に言った。ぬいぐるみを押し付けるようにして渡しながら。
「いいわね。五割引にしておくから」
「五割!?」
「また随分と」
「だから特別サービスだって言ってるでしょ」
 絵梨奈はずっと言っていた二人に対して述べる。
「勘違いしないの。いいわね」
「わかったよ。けれどなあ」
「だよなあ」
 そんな彼女をよそにまた話をする。
「あいつは気付いてるかな」
「普通は気付くだろ」
 二人はまた言い合う。
「どう見たってな」
「素直じゃねえよな」
「いい、何なら七割にしてあげるけれど」
「七割!?」
「そうよ。特別サービスにさらにプラスよ」
 こうも言ってきたのだった。
「出血大サービス。これでどう?」
「マジだな」
「絶対な」
 ここまで見てわからない方がおかしいだろう。少なくともこの二人にははっきりわかった。わかり過ぎて恥ずかしい程である。
「いいわね」
「五割でいいよ」
 聡はこう絵梨奈に返した。
「そんなのは」
「あら、謙虚ね」
「かえって怖いっての」
「七割って何なんだよ」 
 また二人は絵梨奈に聞こえないようにして言い合う。
「幾ら何でも安過ぎだろ」
「随分と滅茶をするな」
「五割でいいのね、本当に」
「うん」
 聡は素っ気無く答える。気付いていないように。
「わかったわ。じゃあこれサービス」
「サービス?」
「そうよ、これね」
 ハムスターのぬいぐるみをもう一つ付け加えてきた。しかもトッピングまで凝っている。何処までも徹底していたのだった。やけに赤とピンクのやけに可愛らしいトッピングであった。如何にも恋人に贈るかのようなトッピングである。
「どうぞ」
「はい」
 ぬっとした感じで突き出されたそのぬいぐるみ達を受け取る。これだけを見たら素っ気無いように見えるがそれまでがそれまでだった。
「どうぞ」
「有り難う」
 お
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