魔石の時代
第二章
魔法使い達の狂騒劇5
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の組織であってもだ。それを忘れるなよ」
『待って――』
宣言と同時、例の回転する刃が魔法陣を艦長の言葉もろともに斬り裂いた。
5
「えっと、一応言われたところで置いてきたけど……」
暴れるなのはとユーノをバインドで拘束し、適当なところまで運んでもらっていたアルフが、こっそりと合流地点まで戻ってきた。時空管理局とやらがどれほどの組織か知らないが、今頃監視体制が敷かれているのは間違いない。幸い、今のところ追手の気配は感じないが――まったく、つくづく面倒な事になったものだ。こっちは正気を保つにも一苦労だというのに。
「光、いいの……?」
そこで、今まで黙っていたフェイトが、泣きそうな顔で言った。
「何がだ?」
「これで、光も管理局に追われる事になるんだよ?」
まったく、他人の心配などできるような状況ではないだろうに。
「別に魔法使いの組織に追い回されるのは今に始まったことじゃあないからな」
殺戮衝動に流されたとはいえ、いくらか早計だった気もするが――かといって、あの手合いを下手に信用すると後々面倒な事になる。なのはとフェイトの事もある。この際、不穏因子は可能な限り払いのけておくべきだろう。それに魔法結社に追い回されるなんて今さら気にするような事でもない。それこそ遥か昔、魔法結社が乱立していた時期なんて、日替わりで違う結社に追い回されていたものだ。目的はそれぞれ異なったが、捕獲しようとしてきたのは間違いないし――命を狙われた事も一度や二度ではない。
(だが、時間をかけてはいられないか……)
殺戮衝動が抑え込められなくなるまで、もう時間がない。その時が訪れるまでにフェイトを救い出せなければ、世界が終わる。……この手で終わらせる事になる。
(フェイトを救うのに、ジュエルシードを集める必要はないか?)
管理局とやらの狙いがあの宝石なら、それから手を引くというのは選択肢の一つだろう。そうすれば、しばらく邪魔されずに済むかもしれない。
(いや、駄目か。そうすれば、プレシアと接触する機会も失われる)
アルフの話では、フェイトからの連絡にはよほどの事がない限り応答がないらしい。プレシアと会おうとするなら、成果がいる。つまり、ジュエルシードをいくつか手土産にしなければ、会う事もままならないという事だ。まったく、大した女王様だ。
(俺が持っているジュエルシードを餌にすればいいか?)
今手元にあるジュエルシードは三つ。たった今フェイトが回収したものと足せば四つ。悪くはないと思うが――昨夜の様子から考えれば、不安が残る。あの時点で、フェイトはジュエルシードを四つ持っていたのだから。それに、
(嫌な予感がするな……)
プレシアにしても管理局にしても、相手の目的が不明瞭である今、この三つを手放すにはいかない。というよ
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