暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
75話:FW vs 副部隊長
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衝撃と共にスバルは防御魔法ごと一直線にビルに突っ込んでいった。
「スバル!」
「スバルさん!」
ティアナとエリオはそれを見て、思わず叫んだ。
士の裏拳は目で追いきれない程速く、スバルにまともに当たったと思ったからだ。
「ちぇ、やっぱ硬ぇなあいつの防御」
そんな二人とは裏腹に、落ちてきた棍を掴んで右手をぶらぶらさせて呟いた士。防げよ、とは言ったもののある程度加減した、だが防御を打ち破るつもりで放った一撃が、彼女の防御を打ち破ることなく完全に防がれたのだ。
改めて彼女の防御力の高さを確認し、かつ“あの人”の娘なんだなと心の中で実感する。
「なのはさん!スバルは…!」
『大丈夫、士君も加減してたしスバルもちゃんと防いでた。スバルはそのまま続行だよ』
なのはの言葉に内心安堵するティアナ。防いでいたなら、頑丈な彼女なら怪我はないと思うし、これから士と戦うには攻撃の手数は多い方がいい。
そう考えつつ、ティアナは次の指示をエリオとキャロに送る。
[キャロ、悪いけどスバルの様子見てくれる?]
[は、はい!でも士さんを抜けて行くのは難しいかと…]
[そこは私とエリオで隙を作るわ]
[ぼ、僕もですか!?]
[当然でしょ!私一人じゃ太刀打ちできないんだから]
念話を送り終えるとティアナは銃を構え直す。少し距離の離れたエリオも覚悟を決めたようで、自分のデバイス―――ストラーダを両手に握り締める。
それをスバルがいるであろう場所から視線を外した士が見る。
「今度はティアナとエリオか…」
そう呟いて士は此方を向き、棍を肩に担ぐ。そしてキャロを一瞥してから親指を立て自分の後ろ―――つまりスバルが突っ込んでいった場所を指した。
「キャロ、早くいけよ」
「……え…?」
「スバルのところに行くつもりだったんだろ?別に何もしねぇから、行ってやれ」
士の言葉に三人は目を丸くした。キャロとエリオはティアナの指示が読まれたことに対してなのだが、ティアナは読んだ上でそれを阻止しないことに対して驚いたのだ。
キャロはティアナへ大丈夫かと念話を送る。それに対してティアナは最大限に警戒しながら行くように指示を出し、それを受けたキャロは士を警戒しつつスバルの元へ走っていった。
「…何のつもりですか?」
「何って、キャロを行かせたことか?スバルがまだ動けるなら、そっちの方が楽しいからな」
「……それはハンデと受け取ればいいんでしょうか?」
そんなつもりはないんだけどなぁ、とあくまでおちゃらけた様子でいる士。しかしティアナの表情は変わらなかった。
顔硬いな〜、と心の中で思いながら肩を落とし、士は口を開いた。
「この模擬戦はあくまでお前らの実力を見る為のもの、そんな硬くなってたら実力出せなくな
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