第四章 炎
第9話 遊園地
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そのことの記憶がない琴里は同様して、『砲』を撃つのを躊躇ってしまった。
確かに、琴里には5年前に誰かを殺してしまったのかという疑念があった。
だが、その疑念が本当だったのか……
琴里「そん、な……私、は……」
その事実に気づいてしまった琴里は砲の筒をダランと落とし、地面に力が抜けたようにペタッと座ってしまった。
その隙に折紙の『ホワイト・リコリス』が再起動を開始していた。
折紙「今度は外さない!」
すると、琴里の周りを結界が取り囲む。
対象を守るためではなく、閉じ込め、致命的な攻撃を加えるための殺意の檻。
そのまま折紙が琴里に狙いを定める。
だが、
その前に立ちはだかる1人の男。
折紙「なんであなたが邪魔をする?……一方通行!」
彼は、琴里を守るようにして立っていた。先ほどと同じように。
一方「悪ィが、俺は一度守ると決めたヤツは何が何でも守るって誓ってンだ」
自分自身の罪。
それを少しでも償うために。
彼なりの決意である。
士道「折紙!やめてくれ!」
その様子を見ていた士道もたまらず、琴里の前に出て来て琴里を守るように立った。
折紙「……っ、士道。邪魔をしないで」
士道「そんなわけにいくかッ!」
2人は睨み合っている。
どちらも譲れない戦い。
復讐とそれを防ぐ者の戦い。
一方「くっだらねェ……」
その言葉を聞いた士道と折紙が過剰に反応した。
士道「くだらない……?どういうことだ!?」
士道は完全に怒っている。折紙も顔には出していないが恐らく怒っているだろう。
だが、一方通行はごく当たり前のような口調で話し始めた。
一方「テメェらが何にキレたかは知らねェが、テメェらの争い自体がくだらねェって言ったンだよ」
士道「……だから、どういう意味だよ」
一方「そのまんまの意味だ。復讐ごときで、こんなくだらねェ争いをすンなってことだ」
折紙「……ふざけないで!私の気持ちも知らないくせに!」
一方「かもな。でもよォ……それであンたの両親が本当に喜ぶと思ってンのか?」
折紙「……っ」
折紙の顔が少し歪んだ。何を考えているのかは分からないが、動揺していることは分かる。
一方「テメェがそう思ってンのなら俺は止めはしねェよ。ただこれだけは言っとく」
少し間を開けて、一方通行は言った。
一方「テメェが復讐のために五河琴里を殺したなら、テメェは一生一人だ。誰にも頼られず、周りから避けられ、一生後悔する人生を送ることになるぜ」
折紙は黙って聞いていた。さっきまで争っていたのが嘘のように。
一方「テメェみてェな、光の人間は普通の人生を送っ
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