第四章 炎
第9話 遊園地
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「はぁ?」
士道「遊ぶんだよ。疲れて眠っちまうぐらいまであそびまくってやる。覚悟しとけよ、琴里」
琴里「は、はぁ……」
訳がわからないまま士道に手を引かれていった。
令音『というわけだ、一方通行。君も彼女達に同伴してくれないか?』
プールから出てきた一方通行はどこかのベンチに座り、缶コーヒーを飲みながら、右耳のインカムから聞こえる令音の言葉を聞いていた。
一方「なンで俺に頼む?そもそも、あいつらのデートに俺が一緒にいたら邪魔だろォが」
令音『あくまで君は保護者として動いてくれればいい。適当にベンチに座って2人のデートを見てくれても構わないさ』
令音は一拍間をおいて続けた。
令音『あと、君に頼んだ理由は単純に君がそこに一番近いからだ』
そりゃそうだろう。一方通行が顔を右に振り向けば、そこは遊園地のゲートが見えるのだから。
一方「チッ……」
一方通行は舌打ちしつつも、立ち上がり、缶コーヒーをゴミ箱に捨てて、コツ、コツ、っと杖がつく音を響かせながら遊園地へのゲートへと向かった。
ーーーー
ーーー
ーー
ー
そんな経路があり、一方通行は士道と琴里の遊ぶ姿を見ているのであった。
一方「………」
楽しんでいる。
心の底から笑っている士道も。
不機嫌な顔をしている琴里も。
この光景を見ると、今が平和だと心の底から感じる。
そして同時に思ってしまう。
学園都市に来る前に、自分にはこんな経験があったのか。
そもそも兄弟がいたかすら分からない。
親の顔も覚えていない。
自分の名前すら分からない。
今更こんなこと、どうでもいいはずなのに……
いや、
自分もどこかで願っているのかもしれない。
もう一度だけ、あんな無邪気に遊びたい……と。
今更もう遅い。
年齢もあるし、何より杖をついている。
だから、
だから……
自分を犠牲にしてまでも、あいつらの笑顔を守りたい。
これが、一方通行自身が出した結論である。
一方「くだらねェ……」
そんなことを呟きながらも2人を見守る一方通行であった。
一方「(そォいや……)」
ふと、一方通行は思ったことがあった。
一方「(佐天はどこにいるンだ?)」
佐天涙子も、士道達と同様にプールの外に出ていた。
佐天「あなたは……?」
そして、『ある人
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