第10話 新たなる日常
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の3〜4本ぐらい飲んだぐらい酔いやすいって知らなかったのか?」
「そうだったんですか……って、すみません。知りませんでした」
「普段、かたづけとかで残った貴族用ワインを飲む機会があるかもしれないが、味見する程度だろうからな」
「えーと、私たちメイドがそういうことをするのを、知っているのですか?」
「まあねぇ。家にいるメイドたちはお客様が帰れば、厨房で味見をしているのは見かけたからねぇ」
「貴族様って、そんなところまで見るのですか?」
「いや、そういうのは少ないほうじゃないかな。だいたい親が自領の城にもどってきた時に、自領にいる貴族なら下級貴族とか、場合によっては町長や村長あたりもあつめているくらいだから、街中でおこなっている貴族の晩餐会やパーティよりは、砕けていると思うね。それに教育係には厨房にはいるんじゃないといわれていたけれど、よくやぶっていたからさぁ」
「くすくす。そんな風な一面もあるんですね」
「貴族の中でも爵位や、宮廷や軍人の階級などにもよるし、家の中にお客様を招いた時と普段の時とでは、それぞれ雰囲気が異なるみたいだからねぇ……それは良いとして、二日酔いしないのが平民用ワイン2本半っていうのなら、ちょっとブレンドしてみようか」
「ブレンド?」
「ああ。ふつうは、ワインを瓶詰する前にブレンドして、店頭にだすのだけど、今、即席でつくってみせるから」
「そういえば、シエスタが言ってたような気がするわねぇ」
「シエスタって?」
「メイドなんですけど、出身がワインで有名なタルブ村なんだそうです」
「タルブ産の高級ワインはたしかにいいねぇ。俺の小遣いじゃ、なかなかしょっちゅうは飲めないぐらいだ……って話はずれたけど、今、ブレンドしてみせるから」
そう言ってから、ガラス張りである研究部屋にある目盛をつけたビーカーを3つばかり棚からとりだしてきて、テーブルの上に並んでいる平民用ワインと貴族用ワインと青りんごジュースに、トリスタニアで買ってきた蒸留酒を、量を計って平民用ワインの瓶に戻した。そこで、俺が軍杖を出すと、メイドたちがギョッとした感じをしていたので、
「ああ、ブレンドするのは遅くても瓶詰めする前が普通なんだ。そこから味をなじませるんだけど、料理をつくるときもそういうことがあるだろう? だから魔法で同じことをこれからするんだよ」
「へぇ。たしかに料理だとありますね」
「蒸留酒をベースにするなら、魔法をかけなくても良い組み合わせもあるけれど、酔いやすいから飲める量は少なすぎるからね。だから魔法でも水系統の魔法は、料理に通じるものがあるんだよ」
「だから、勉強のために厨房に入っていってたのですか?」
「そうだね。ちょっと変則的だけど」
単純
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