第10話 新たなる日常
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使い魔になる前は、魔法衛士隊の騎士見習いだったんだっけ?」
「まあね」
「ここの実習が命の心配しなくてすむほど、楽だとでもいうのか、君は」
俺は、少しばかりまわりをみまわしてから、声をひそめて
「いや、飛んでいれば落下する危険はあったりするけれど、お互いに魔法をむけあったり、軍杖で戦いの訓練みたいなのはしないだろ?」
「たしかにな」
肩をすくめるポールだが、余計なことにマリコルヌが、
「けど、ルイズの魔法はいつも失敗してばかりで、危険だぜ!」
ルイズが教室にいたのを見たから、その話題はさけたのだがなぁ。マリコルヌも自信が持てるのはルイズに対してだけなのか、よくつっかかるみたいだ。俺とポールはその場から離れて、ルイズとマリコルヌの口論、もとい口げんかを避けるが
「なぁ、ポール。マリコルヌも、よくルイズにつっかかるような発言をするよな」
「性分なんだろう」
「そんなもんかねぇ」
「自分から『風上』なんて言っているが、どちらかというと他人の『風下』にいるようなもんだからな」
なるほどね。ほとんどの相手に風上へたてないから、風上にたてそうなルイズへちょっかいをかけているわけだ。
「って、そろそろ次の授業の時間だよな」
「ああ」
とりあえずは、モンモランシーの隣の席へと移動していくが、モンモランシーのそばにいる時間を減らして、男子生徒との会話も増えている。それまではモンモランシーのまわりに集まる女子生徒との話す時間ばかりが、多かったからな。
昼食などもモンモランシーとは会話も互いに主体的なものはなく、自由という名のつく時間は、モンモランシーから離れて一日をすごした。
そして翌日も似たような日をおくり、夕食時間帯よりしばらくたってから、俺の部屋には二人のメイドがいた。クララとフラヴィだが、今晩は、先週渡した黒いスカート生地を自分で縫ったのか、スカートとしてはいてきている。
テーブルの席には俺も含めて3人で座るわけだが、
「クララはジュースで良いだろうけれど、フラヴィには先週二日酔いとさせてしまったようで、すまなかった」
「いえ、大丈夫だと思って飲んだ、私がちょっとばかり飲みすぎてしまったので」
「っというか、フラヴィって、ワインが飲める量をわかっていたんだろ?」
「そのつもりだったんですが……」
俺はテーブルに用意してある瓶から1本を選んで、
「このワインが、ここで働いている平民がだいたい飲んでいる代表的なワインだと聞いてもってきてもらっているのだけど、これなら何本まで二日酔いもせずに飲めるのかな?」
「えーと、2本と半分くらいです」
「そうか。先週頼んだ貴族用のワインってのは1本で、だいたいそのワイン
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