第191話 花咲く都の熱戦
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物の裾をひるがえしながら駆け出した。
ユ「アイスメイク、氷霧ッ!!」
氷のように冷たい霧が辺りを覆いつくす。
ジェ「んだこりゃ!?何にも見えねェぞぉーーーっ!」
ラム「リート〜、ジェニック〜、どこぉ〜?」
リー「ラム!ジェニック!それ以上今いる場所から動くんじゃねェ!!」
霧の中で気楽な禿鷹のリート、ラム、ジェニックが喚いている中、3人に忍び寄る2つの黒い影―――。
グ「氷雪砲ッ!!」
ユ「氷雪鎖ッ!!」
氷の砲丸と氷の鎖を同時に霧の中にいるリート達目掛けて放つ。
ジェ「ぐぉおおあぁあぁぁああああっ!」
ラム「うわあぁああぁああああっ!」
リー「ジェニック!ラム!・・・っくそォ!」
狙い的中。
霧が晴れると、グレイとユモの目の前にいるのは傷だらけで倒れているジェニックとラムだけ。リートの姿はどこにも見当たらなかった。
ピッと音を立てて妖精の尻尾のポイント数に2ポイント追加される。
グ「逃げられたか。」
ユ「この2人を倒して2ポイントだから・・・やっぱり、気楽な禿鷹のリーダーはリートみたいだね。」
グ「あークソ!アイツ倒してたら逆転出来たのに、惜しいところ逃しちまったな。」
グレイは悔しそうに頭を掻き毟りながら言う。
ユ「まぁまぁ、私達は初代の指示通りに動けば大丈夫だよ。」
グ「んで、その初代の指示で、俺とユモはここで別行―――――!!?」
「別行動」と言おうとしたグレイの口をユモが塞いだ。
手ではなく、口で。
いきなりすぎる出来事に、グレイは最初何が何だかよく分からなかったが、後にそれが“キス”だと理解すると、徐々に体温が急上昇していくのを実感した。
氷の魔道士の体温は、普通の人間と比べると低く、寒いところで服を脱いでも大丈夫なくらいだが、今のグレイの体温は炎の魔道士の体温より熱いだろう。
ユモが離れてからも、グレイはしばらく静止したままだった。顔は恐らく、真っ赤だ。
キスの時間はほんの数秒だったのだが、グレイにとって1〜5時間くらいに思えたはずだ。
ユ「グ、グレイ?ゴ・・ゴメン。だ、大丈夫・・・?」
ユモの声で我に返るが、顔はまだ真っ赤のまま。ユモの頬も薄っすらと赤みを帯びていた。
ユ「グレイ、頑張ろうね。」
グ「ぁ・・あ、あぁ・・・//////////」
ユモの言葉にまともに返事を返す事が出来ず、グレイはただ顔を真っ赤にしたままユモから視線を逸らす事しか出来なかった。
ようやく落ち着きを取り戻した時には、すでにユモの姿はなかった。
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