第一章
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肉を見てだ、彼等は言うのだった。
彼等はその肉達を見てだ、さらに言い合うのだった。
「ここはな」
「ああ、市営の屠殺場だがな」
「今日は牛を殺したか?」
「牛の大きさじゃないぞあれは」
「豚の大きさでもないな」
「羊に似ているか?」
「いや、羊の肉じゃないぞ」
こう言い合うのだった。精鋭である筈の彼等がだ。
その肉の色、それは。
「人間の肉だな、あれは」
「だろうな、認めたくはないがな」
「奴等、ユダヤ人を殺したのか」
「しかもここで」
このことを悟って言った言葉だ。
見れば頭も手足もなく逆さに吊るされている、血が抜かれてだ。
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