暁 〜小説投稿サイト〜
屠殺場
第一章
[2/2]

[9] 最初 [2]次話
肉を見てだ、彼等は言うのだった。
 彼等はその肉達を見てだ、さらに言い合うのだった。
「ここはな」
「ああ、市営の屠殺場だがな」
「今日は牛を殺したか?」
「牛の大きさじゃないぞあれは」
「豚の大きさでもないな」
「羊に似ているか?」
「いや、羊の肉じゃないぞ」
 こう言い合うのだった。精鋭である筈の彼等がだ。
 その肉の色、それは。
「人間の肉だな、あれは」
「だろうな、認めたくはないがな」
「奴等、ユダヤ人を殺したのか」
「しかもここで」
 このことを悟って言った言葉だ。
 見れば頭も手足もなく逆さに吊るされている、血が抜かれてだ。
[9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ