17話 『自称・愛の冒険家』
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「それが出来んから頼もうとしてるんじゃないけ!……あいや、逆ギレはいかんな? グルグ火山より北側の氷の洞窟って場所にはな、氷結の女王様がお住み着きになられちょるのだ!」
「そンだけじゃ分かンねェぜ、大体ソイツぁモンスターなのかよ?」
ランクは面倒そうにしながらも、シドの話を聞いてやる。
「まぁ噂によると[氷結の精霊]様だそうだけんどすっかり居着いてらっしゃるみたいで、何でも浮かしちゃうとゆう伝説の[浮遊石]欲しさに洞窟入った俺っちと同じような物好きな冒険家ってのは、
猛烈な吹雪で見通し利かずに戻るしかないか、はたまた氷付けにされて入口に戻される奴ばかりなんさ!
そんでいつしかその洞窟にだぁれも近寄らんようになったとこに! 俺っちが歴史を塗り替えちゃろうって訳なんだけどもな……
どうにも吹雪に敵わんで、俺っち寒いのは得意だのに見通し利かんし前進してるつもりがいつの間にか入口に戻されてやんのさ!
日を改めて何度挑戦しても同じ有り様でな? 俺っち魔法はてんで使えんし、それでも諦められんのだい!!
────そこで、だ! 魔法使えそうな冒険慣れしてるっぽいあんた方に、氷の洞窟の奥で吹雪起こしてらっしゃる氷結の女王様を討伐……とゆうか鎮めてほしいのさ!!」
「あなた方が向かおうとされているグルグ火山は熱地獄で、"氷結精霊の加護"がなければ暑さで参ってしまうのでは? シド様の依頼を引き受けて下されば、あなた方の為にもなると思われますが──── 」
4人の身を案じつつ、テューテも勧める。
「伝説上のお姿は妖艶極まりないときたもんで、力を示してその精霊様を鎮め、認められさえすれば! 灼熱除けの加護を受けられる訳だし火山の暑さも何のその! オマケに俺っちからの報酬もあるかんな! そんでもって吹雪の治まった氷の洞窟内で俺っちは気兼ねなく[浮遊石]探索が出来るってなもんよ!!」
「 ────引き受けた」
他の3人の意見も聞かずに決定を下すマゥスン。
「オマエ、また勝手に……ッ」
「おう、べっぴんさん! やってくれるんか!! ここはひとつ、アッツイ炎かまして大人しくさしておくんな! そいでもってあんた方のお名前……、教えといてくんない?」
「あ、わたしはシファって云います」
「ぼ、ボクはビルでスっ」
「 ……オレぁランク 」
「 ────── 」
「なるへそ! 白魔のシファっちゃんに黒魔のビル公、スィーフのランク坊に赤魔のべっぴんさんってこったな!!」
「妙な呼び方すンなっつのッ!」
「俺っちもお供して氷結精霊様をひと目拝みたい所だけんど、あんた方のお邪魔虫にならんよう屋敷で待ってるかんな!」
「皆さん、どうかお気を付
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