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蜀碧
第一章
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、そこが彼等の弱みだった。
 その弱みを補う為に官吏を登用しなければならない、だが。
「あの方はそんなことは意に止められぬ」
「だからな」
「今回の科挙もな」
「絶対にな」
「ああ、恐ろしいことになるぞ」
「間違いなくな」
 彼等はもうわかっていた、そしてだった。
 科挙に応じた書生達は門のところに引かれて置かれている縄を見ていぶかしんだ、それで口々に話し合った。
「あの縄は何だ?」
「横に置かれているが」
「まるで潜れと言っている様だが」
「しかしあの縄を潜るとなると」
 その縄の高さが問題だった。
「随分低く引かれているぞ」
「潜るには相当に背が低くなくてはな」
「とても潜れぬ」
「子供位しかな」
「潜れないぞ」
 そしてだ、張も言うのだった。
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